スポーツカーと一般車の限界性能を比較!その差はどれぐらい?
スポーツカーといえば、「加速する」・「曲がる」・「止まる」の性能が優れている車種ですが、今回は最近のスポーツカーが実際にどれぐらい凄いのかをデータでまとめることにしました。
「加速する」・「曲がる」・「止まる」の3項目に対応する指標として、海外の自動車メディアでは以下のデータがよく利用されています。
- 0-100 km/h: 停止状態からフル加速で時速100キロまで到達するまでの時間
- 最大横加速度(G):高速旋回性能を示す指標(数値が高いほど良い)
- 100-0 km/h: 時速100キロからのフルブレーキで完全停止するまでの距離
- 112-0 km/h: 時速112キロからのフルブレーキで完全停止するまでの距離
0-100 km/hと100-0 km/hは「PDriveTV」、最大横加速度と112-0 km/hは「Car and Driver」のデータを参照元としました。
各テストでは、さまざまな設定のもと複数回テストが実施され、そのうちのベストの値が採用されています。
0-100 km/hは10秒を切れば速い方です。最大横加速度は0.8以上あれば優秀です。また100-0 km/hについては、自動車アセスメントのデータを見る限りでは、おおよそ40メートル未満であれば優秀であるといえます。
まずは一般的なクルマとして、2016年にフルモデルチェンジされたプリウスのデータについて見ていきたいと思います。
プリウスの性能データ
- テスト車: FF, 1375 kg
- 0-100 km/h: 11.42秒
- 最大横加速度: 0.82 g
- 100-0 km/h: 40.97メートル
- 112-0 km/h: 54.86メートル
新型のプリウスは、燃費性能がトップクラスなのはもちろんのこと、TNGAと呼ばれる新設計の骨格が採用され、旋回性能が向上しています。
加速性能は速くはないものの、出足から徐々にパワーダウンしている感じで、街中でも扱いやすい特性ですね。
ブレーキング性能は、このクラスとしては標準的であると言えます。
続いて、走りの良さに定評のあるマツダ アテンザ 2.5S(336万円)のデータについて見てみましょう。
アテンザ 2.5Sの性能データ
- テスト車: FF, 1425 kg
- 0-100 km/h: 8.34秒
- 最大横加速度: 0.87 g
- 100-0 km/h: 39.35メートル
- 112-0 km/h: 52.46メートル
2.5リッターのNAエンジンを搭載した、マツダのフラッグシップセダンです。
大きめのセダンですので、街中をキビキビと走るクルマではありませんが、一般車の中では上位の限界性能を持っているといえます。
カーブの連続した高速道路などでは、とても安定した走行性能を発揮します。
ここからスポーツカーの性能データを確認していきましょう!まずはトヨタのスポーツカー「86」(262万円~)からです。
86(MT)の性能データ
- テスト車: FR, 1216 kg
- 0-100 km/h: 7.46秒
- 最大横加速度: 0.89 g
- 100-0 km/h: 38.17メートル
- 112-0 km/h: 49.07メートル
ライトウェイトなスポーツカーとしては、全体的に限界性能が高いですね。
高回転時に最高200馬力(AT)を発揮するこの2リッターNAのエンジンをどう扱うのかがミソですね。
もう少し低回転時からパワーがあっても、シャシー性能としては余裕で耐えられそうです。
続いて、スバルのフラッグシップスポーツカーであるWRX STI(379~411万円)はどうでしょうか?
WRI STI(6速MT)の性能データ
- テスト車: AWD, 1497 kg
- 0-100 km/h: 5.20秒
- 最大横加速度: 0.93 g
- 100-0 km/h: N/A (未公開)
- 112-0 km/h: 46.63メートル
性能バランスがとても良いですね。このあたりから、街中では性能を持て余すようになります。
ちなみに国産車ではランサーエボリューションXが同じぐらいの性能を持っています。
もうひとつ、ラグジュアリー・スポーツセダンのレクサスGS Fの性能も挙がっていましたので、チェックしてみました。
GS F(8速AT)の性能データ
- テスト車: FR, 1825 kg
- 0-100 km/h: 5.08秒
- 最大横加速度: 0.93 g
- 100-0 km/h: 37.49メートル
- 112-0 km/h: 48.76メートル
ラグジュアリーカーでもありますので、車両重量が1825キロとヘビーであるハンディキャップを持っていますが、基本性能はWRX STIやランエボ10と同じぐらいで優秀です。
0-160 km/hなどのデータを見ると、最高477馬力を出力する5リッター・V8のパワフルなエンジンを積んでいる分、時速100キロを超えたあたりからの高速域ではGS Fはかなり速いようです。
続いて、ジャガーの最新技術が詰め込まれた、エントリーセダンであるXEのハイパワーモデル「S」の性能も公開されていましたので、チェックしてみました。
ジャガーXE S(8速AT)の性能データ
- テスト車: FR, 1597 kg
- 0-100 km/h: 5.26秒
- 最大横加速度: 0.96 g
- 100-0 km/h: 36.75メートル
- 112-0 km/h: 46.02メートル
FRとしてのアドバンテージもあり、最大横加速度が1G近くまでに達しています。
次に、スポーツカートップレベルの性能を持つクルマをチェックしてみましょう。
国産スポーツカー最速候補といえば、まずはGT-Rが挙げられるかと思います。
GT-R ニスモ(2015年モデル)の性能データ
- テスト車: AWD, 1720 kg
- 0-96 km/h: 2.9秒
- 最大横加速度: 1.02 g
- 100-0 km/h: N/A
- 112-0 km/h: 46.32メートル
GT-Rの強みと言えば、トラクションコントロールが抜群であり、0-96 km/hでは2秒台に達しています。
2017年式のニスモモデルは、これよりも性能が向上しているはずですので、今後のテストデータが気になるところです。
ご参考:日産 R35 GT-Rのレビュー:日本が世界に誇るピュア・スポーツカーの実力に迫る!
また新型NSXの性能はどうでしょうか?
NSX(2017年モデル)の性能データ
- テスト車: AWD, 1754 kg
- 0-96 km/h: 3.1秒
- 最大横加速度: 1.06 g
- 100-0 km/h: N/A
- 112-0 km/h: 43.28メートル
革新的なハイブリッドシステムを搭載したスポーツカー、ということで発売前から注目を集めていましたが、GT-Rと比べても、負けず劣らずの基本性能を有していることがわかります。
重いクルマの割には、ブレーキング性能が強力であることがわかります。
ちなみに以下の動画は、高難易度のサーキットであるニュルブルクリンクでのNSX(2017年式)の走行シーンです。
ホットハッチにあっという間に詰め寄るほど速いですね。
続いて、GT-Rとしのぎを削り続けている高性能アメリカン・スポーツカー「コルベットZ06」の性能データをチェックしてみました。
コルベット Z06の性能データ
- テスト車: FR, 1641 kg
- 0-96 km/h: 3.3秒
- 最大横加速度: 1.14 g
- 100-0 km/h: N/A
- 112-0 km/h: 42.06メートル
FRゆえにスタートダッシュではGT-RやNSXに遅れを取りますが、高速旋回性能やブレーキング性能はスポーツカートップクラスです。
ここまではNSXを除いて1000万円台のスポーツカーでしたが、続いて2500万円以降のスポーツカー(一般にスーパーカー)の性能も見ていきましょう。
スポーツカーといえばポルシェ!まずは公道最速のポルシェであるターボSの性能をチェックしてみましょう。
911 ターボS(2017年モデル)の性能データ
- テスト車: AWD, 1616 kg
- 0-96 km/h: 2.6秒
- 最大横加速度: 1.06 g
- 100-0 km/h: N/A
- 112-0 km/h: 42.36メートル
ターボ車最速クラスのダッシュ力に、強力なブレーキング性能を有していることがわかります。
911 ターボSのライバル的な存在といえば、同価格帯のマクラーレン570SとアウディR8(V10 Plus)が挙げられます。
マクラーレン570S(2016年モデル)の性能データ
- テスト車: FR, 1446 kg
- 0-96 km/h: 2.9秒
- 最大横加速度: 1.06 g
- 100-0 km/h: N/A
- 112-0 km/h: 43.89メートル
北米を代表する有力自動車メディア「Motor Trend」のコンテストにおいて、2016年度のベスト・ドライバーズカーとして1位に輝いているスポーツカーです。
非常に軽量なボディを持ち、FRのスポーツカーとしては最速クラスの加速性能があります。高速旋回性能とブレーキング性能ともに優秀で、総合的なバランスが良いですね。
ライバルに比べて100キロ以上軽い、というのは大きなアドバンテージになっているようです。
そしてアウディR8はどうでしょうか?
アウディR8(2017年モデル)の性能データ
- テスト車: AWD, 1671 kg
- 0-96 km/h: 2.9秒
- 最大横加速度: 1.00 g
- 100-0 km/h: N/A
- 112-0 km/h: 46.63メートル
2016年度のワールド・パフォーマンス・カー部門で1位に輝いたスポーツカーです。同賞に3度も受賞している、世界的に評価されているクルマです。
Motor Trendの0-96 km/hテストでは2.6秒を記録しています。
アイドリング中の騒音レベルが、マクラーレン570Sが63 dBA、ポルシェ911 ターボSが61 dBAなのに対して、アウディR8は48 dBAで静かなのも特徴的です。
アウディR8とくれば、各種パーツを共有しているランボルギーニ ウラカンの性能も気になるところです。
ウラカン LP610-4の性能データ
- テスト車: AWD, 1552 kg
- 0-96 km/h: 2.5秒
- 最大横加速度: 1.01
- 100-0 km/h: N/A
- 112-0 km/h: 43.89メートル
「Car and Driver」の0-96 km/h テストでは、NA最速の2.5秒を記録しています。
そして公道で走れる最速のクルマとして、1億円オーバーのプラグイン・ハイブリッドカーであるポルシェ 918 スパイダー、マクラーレン P1、フェラーリ ラ・フェラーリがあります。
まとめ
一般車の性能から、最速クラスのスポーツカーまでの性能を一挙にまとめてみました。
加速・コーナリング・ブレーキ性能のランキングにつきましては、以下の記事も参考にしていただけるかと思います。
本記事が皆さまの参考になりましたら幸いです。
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