ニュルブルクリンクに挑む、高性能スポーツカーの最新ランキング
スポーツカーの聖地として世界的に有名な、「ニュルブルクリンク北コース」(略称ニュル)で優れたラップタイムを記録しているスポーツカーをご紹介します。
ニュルブルクリンク北コースは、全長20キロを超えるロングコースと、172にも及ぶ多彩なコーナーを持ち、スポーツカーのテストコースとして不動の地位を築いています。
ニュルのラップタイムを眺めてみると、一般に広く販売されている量販スポーツカーだけでなく、一桁台しか売られていない市販車や、ほぼレース仕様の車などがごちゃ混ぜになっており、速い車がどれなのかわかりにくくなっています。
さらには車種や駆動形式などによってもタイム差が開きますので、本記事ではカテゴリー別にスポーツカーを分けて、ランキング付けしました。
各車について、タイムアタックの動画を貼り付けておきましたので、ぜひ迫力の走行シーンをご覧いただければと思います。
ちなみにラップタイムにつきましては、「NURBURGRING LAPTIMES」とニュルのラップタイム(英語版wiki)のデータを採用しました。
2017年7月7日更新
量販車のニュル最速は?
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【ランボルギーニ】ペルフォマンテ(2018年モデル)
- ニュルのラップタイム:6:52.01
- 最高出力:640ps / 8000rpm
- エンジン:5.2リッター・10気筒NA
- 装着タイヤ:ピレリ Trofeo R
量販スポーツカーの中で世界1位を記録しているのは、ランボルギーニ ウラカンのハイパフォーマンスモデルです。
ベースのウラカン自体がスポーツカートップクラスの性能を持ち、そこから出力30PSのアップ、約40キロの軽量化、サスペンションの高性能化などが施されています。
さらには風を味方に付ける最新のエアロダイナミクス・システムにより、最先端のスポーツカーの中でも頭一つ抜けたラップタイムである6分52秒を叩き出しています。
このタイムは同社の一回り大きくパワフルなアヴェンタドールSVRよりも早く、億単位で取引されているポルシェ 918スパイダーですら5秒の差をつけています。
◎ ウラカン・ペルフォルマンテのニュルタイムアタック動画
ウラカンについて詳しく知りたい方は、「ランボルギーニ ウラカンの試乗レビュー: 憧れのスーパーカーをレンタカーで体験!」をご覧ください。
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【ポルシェ】918スパイダー(2013年モデル)
- ニュルのラップタイム:6:57.00
- 最高出力:887ps
- エンジン:4.6リッター・8気筒
- 装着タイヤ:ミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2
2013年9月4日に市販車の中で世界1位を記録した、ポルシェのプラグインハイブリッド・スーパーカーです。
公道で走ることができるプラグインハイブリッドカーとしては、いまだに1位の座に着いています。
ハイブリッドゆえに出足が速く、停止状態から時速96キロまで、わずか2.2~2.3秒の瞬足を誇ります。
◎ 918スパイダーのニュルタイムアタック動画
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【ランボルギーニ】アヴェンタドールSVR(2015年モデル)
- ニュルのラップタイム:6:59.73
- 最高出力:750ps
- エンジン:6.5リッター・12気筒NA
- 装着タイヤ:ピレリ・Pゼロ・コルサ
ウラカンよりも一回り大きく、自然吸気型エンジンで750馬力ものハイパワーを発揮するランボルギーニのスーパーカーです。
この2015年モデルは、2013年に2011年モデルで記録した7分25秒を大幅に上回るタイムを記録しています。
◎ アヴェンタドールSVRのニュルタイムアタック動画
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【日産】GT-R ニスモ(2015年モデル)
- ニュルのラップタイム:7:08.679
- 最高出力:600ps
- エンジン:3.8リッター・6気筒ツインターボ
- 0-96km/h:2.7秒
- 装着タイヤ:ダンロップ SP Sport MaXX GT 600 DSST
量販車最速といえば、欠かすことのできないのが日産のR35 GT-Rです。
2013年9月に量販車最速を達成した7分8秒の記録は、世界トップクラスの最新スポーツカーである「メルセデス・AMG GT-R」や「ポルシェ911 GT3」ですら上回っていません。
ニュルの上位ラップタイムには、非常に高額なスポーツカーがランクインしている中、R35 GT-Rはベースグレードで1000万円を切るところも別格です。
◎ R35 GT-R ニスモのニュルタイムアタック動画
なお、GT-Rについて詳しく知りたい方は、「日産 R35 GT-Rのレビュー:日本が世界に誇るピュア・スポーツカーの実力に迫る!」をご覧ください。
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【メルセデス】AMG GT-R(2017年モデル)
- ニュルのラップタイム:7:10.92
- 最高出力:585ps
- エンジン:4リッター・8気筒ツインターボ
- 装着タイヤ:ミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2
メルセデス・ベンツといえばラグジュアリー部門で世界トップレベルの人気を誇りますが、それとは独立して、ハイパフォーマンスカーを開発しているAMG部門があります。
AMG GTはその中でも最高峰のラグジュアリーなスポーツカーであり、2015年度の「ワールド・パフォーマンス・カー」で受賞しています。
ニュルのタイムアタックでは、2013年にGT-Rニスモが記録した7分8秒の壁を破ることはできませんでしたが、数々のスポーツ競技で好成績を残していることから、今後に期待できる一台です。
◎ メルセデスAMG GT-Rのニュルタイムアタック動画
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【ダッジ】バイパー SRT10 ACR(2010年モデル)
- ニュルのラップタイム:7:12.13
- 最高出力:600ps
- エンジン:8.4リッター・10気筒NA
- 装着タイヤ:ミシュラン・パイロット・スポーツ・カップR・DOT
最新のスポーツカーが上位に食い込む中、2010年モデルで7分12秒の好タイムを叩き出した、アメリカン・スーパーカーです。
何と8.4リッターというエコとは正反対な大排気量のエンジンを積んでおり、乗り心地や視認性などの普段使いはほぼ考慮せず、まさにレース場で速く走るためだけに作られたスパルタンなスポーツカーです。
◎ バイパー SRT10 ACRのニュルタイムアタック動画
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【ポルシェ】911 GT3(2018年モデル)
- ニュルのラップタイム:7:12.70
- 最高出力:500ps
- エンジン:4リッター・6気筒NA
- 装着タイヤ:ミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2
スポーツカーの中でも格別の高評価を得ている911シリーズの、レース場向けに設計されたモデルです。
◎ ポルシェ 911 GT3のニュルタイムアタック動画
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【レクサス】LFA(2012年モデル)
- ニュルのラップタイム:7:14.64
- 最高出力:571ps
- エンジン:4.8リッター・10気筒NA
- 装着タイヤ:ブリジストン ポテンザ RE070
国産スポーツカーの中では、レクサス初のスーパーカーであるLFAも見逃せないところです。
LFAは2012年モデルで当時の量販車最速記録を叩き出し、今でも量販車の中で上位にランクインしています。
レクサスといえばラグジュアリー・クーペのLCが世界的に好評ですが、またLFAのようなスーパーカーが見たいところですね。
◎ レクサスLFAのニュルタイムアタック動画
追記:ホンダのスーパーカーとして2017年2月から発売された新型NSXのニュル走行シーンは、以下の動画からご覧いただけます。
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【シボレー】カマロ ZL1 1LE(2018年モデル)
- ニュルのラップタイム:7:16.04
- 最高出力:659ps
- エンジン:6.2リッター・8気筒スーパーチャージャー
- 装着タイヤ:グッドイヤー・イーグル・F1・スーパーカー3R
アメリカン・スーパーカーとしては、最高659馬力ものハイパワーを出力するカマロのハイパフォーマンスモデルがランクインしています。
7分16秒のタイムは、ポルシェ911GT3(2018年モデル)の7分12.7秒や、メルセデスAMG GT-Rの7分10.9秒に迫っています。
コルベットシリーズは、加速・減速・旋回の基本性能が高く、今後も期待できそうです。
◎ カマロ ZL1 1LEのニュルタイムアタック動画
ラグジュアリーセダンのニュル最速は?
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【ポルシェ】パナメーラ ターボ(2017年モデル)
- ニュルのラップタイム:7:38.00
- 最高出力:550ps
- エンジン:4リッター・8気筒ツインターボ
ポルシェはニュルのタイムアタックに果敢に挑戦していますが、クラス別に見たときに特に目立つのが、このパナメーラです。
パナメーラはベンツのSクラスやBMWの7シリーズに相当する最上級レベルのセダンですが、ポルシェらしくベースグレードの状態で走りの良さを追求して開発されています。
そしてパナメーラのスポーツグレードである「ターボ」は、重量級のハンデを背負いつつも、2010年前後のスーパーカークラスのラップタイムを記録しています。
残念ながらニュルでのタイムアタック動画は公開されていないようですので、代わりに山道での走行シーンの動画を貼り付けておきます。
◎ パナメーラターボ(2017年モデル)の山道でのスポーティな走行シーン
ニュル最速の4ドアセダンは?
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【アルファロメオ】ジュリア クアドリフォリオ(2016年モデル)
- ニュルのラップタイム:7:32.00
- 最高出力:510ps
- エンジン:2.9リッター・6気筒ターボ
4ドアセダンの中で最速のタイムを記録しているのが、イタリアンスポーツセダン「ジュリア」のハイパフォーマンスモデルです。
個性的なルックスのスポーツカーであり、フェラーリ製の高性能エンジンと、シャープなハンドリングが持ち味です。
◎ アルファロメオ ジュリア クアドリフォリオのニュルタイムアタック動画
ホットハッチの最速は?
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【ホンダ】シビック タイプR(2017年モデル)
- ニュルのラップタイム:7:43.80
- 最高出力:310ps
- エンジン:2リッター・4気筒ターボ
国産スポーツカーの中で注目しておきたいのが、前輪駆動車として世界最速のラップタイムを更新した、ホットハッチの「シビック タイプR」です。
2015年モデルの7分50秒を大幅に更新した新型シビックは、ベースモデルでも快適性や後席・ラゲッジルームの広さなどの実用面においても高く評価されています。
またコンフォートモードが新たに加わったことにより、街中でゆったり走るのもアリなスポーツカーになっています。
とても高額なスポーツカーが並ぶ中、新車価格で400万円台(予想価格)なのもポイントです。
ご参考:抜群に速いコンパクトカーを一挙公開!ホットハッチの底力とは?
◎ シビック タイプR(2017年モデル)のニュルタイムアタック動画
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【フォルクスワーゲン】ゴルフGTI Clubsport S(2016年モデル)
- ニュルのラップタイム:7:47.19
- 最高出力:310ps
- エンジン:2リッター・4気筒ターボ
ホットハッチの第2位は、実用性と走行性のバランスが優れた「ゴルフ」のニュル用ハイパフォーマンスモデルです。
2016年12月にはホットハッチの世界記録となる7分47秒を記録しましたが、現在はシビックタイプRに1位の座を譲っています。
◎ ゴルフGTI Clubsport Sのニュルタイムアタック動画
電気自動車の最速は?
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【Next】NIO EP9(2016年モデル)
- ニュルのラップタイム:6:45.90
- 最高出力:1360ps
電気自動車の部門ではテスラ社が最先端としてよく知られるところですが、ニュルブルクリンクの圧倒的なタイムを記録しているのは、この中国発のEVスーパーカーであるNIO EP9です。
特別な車ゆえに、いわゆる量販車ではないものの、市販車として世界1位の座についています。
1735キロの車両重量はスーパーカーとしてはかなり重い部類に入りますが、超強力なダウンフォースにより地を這うように曲がります。
◎ NIO EP9のニュルタイムアタック動画
まとめ
ニュルブルクリンクで好タイムを記録している、最新スポーツカーをメインにご紹介いたしました。
今後ともニュルのラップタイムが更新され次第、コッソリと加筆修正していきます。
本記事が皆さまの参考になりましたら幸いです。
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※修正点をご指摘いただいた方、ありがとうございました。
楽しく読ませてもらってます。
2点だけ、カマロの車名がが「コルベット カマロ」になっています。
2点目、細かいですがアルファロメオジュリアは「クアドロ」ではなく「クアドリフォリオ」です。