車を購入する前に計算しておきたい維持コストTOP3
本記事では、車を購入する前に比較的簡単に計算できる、3つの重要な維持費について解説いたします。
車の維持費を計算するときの定番は、ガソリン代や車検代、自動車税、自動車保険代、駐車場代などです。
ところが、意外と考慮されていないのが『車両価格+所有年数+売却価格』から求まる1年あたりの車両コストです。
1年あたりの車両コストを計算すると、新車・中古車のどちらの方が良さそうなのかわかりますし、車両価格を含めたひと月の維持費を計算できるようになります。
また駐車場やガソリン代についても、維持費に占める割合が大きくなりやすく、車を購入する前に計算しやすい項目ですので、本記事で解説することにしました。
- 1年あたりの車両コスト
- 駐車場代
- ガソリン代
それでは、さっそく1項目ずつチェックしていきましょう!
1年あたりの車両コスト
まず、あまり知られていない項目からご紹介していきます。
車を購入する前に、まず先に計算していただきたいのが『1年あたりの車両コスト』です。
車を購入するときには購入価格(車両価格+諸費用)に目が行ってしまいがちですが、そもそも何年間車に乗って、どれぐれらいの価格で売却するのかによって、長期的に見たときの車の価値が決まります。
車は消耗品ですので、いつの日か売却する日が訪れます。そこで、購入した車をおおよそ何年間所有するのかを予想して、1年あたりの車両コストを計算してみましょう!
計算式は以下のとおりです。
1年あたりの車両コスト = (購入価格 – 売却価格) ÷ 年数
購入価格と年数は、すぐに求まりますよね。売却価格については予想額を計算することができます。
おおよそ、売却価格は所有年数×15%を車両価格に掛けると計算できます。
たとえば300万円で購入した車であれば、5年後にはベストでおおよそ25%で売れるといった感じです。
概算値で良いので、ひとまず当てはめてみるのが良いですね。
- 15%の値はあくまでも一括査定などで理想的な高値で売却したときの目安です。この値は、中古車市場での人気や車の程度の良さにも大きく影響されます。特に新車購入後の1年目は値下がりが大きく、新車購入時の80%ぐらいで買い取られるほど値下がりします。おおよそ経年5年を過ぎてくると、そこから徐々に値下がり幅が小さくなっていきます。新車は早く売却するほど損をする傾向がありますので、くれぐれも注意しておきましょう。
ここで一つ、実例を挙げてみましょう。ここでは以下のケースを考えてみます。
購入価格: 300万円で新車を購入
売却価格:50万円~100万円
年数:約5年(車検直前)
年式:2012年式
※実際の車で概算値を計算していますが、車名は伏せておきます。
カーセンサー.netでこの車の中古車価格を調べてみたところ、車両価格が80万円~140万円となっていましたので、ここでは50万円~100万円で売却されていると予想しました。
すると、1年あたりの車両価格は、以下のとおりになります。
50万円で売却した場合
(300 – 50) ÷ 5 ≒ 50万円/年
100万円で売却した場合
(300 – 100) ÷ 5 ≒ 40万円/年
これに自動車所得税を加えると、1年あたりの車両価格は42万円~52万円となります。
つぎに、この車を中古車で買い取って、12年目の車検前に売却するとどうなるでしょうか?
この車の中古車価格は、現在90万円~140万円となっています。
売却価格は、一括査定で売却すると10万円~20万円程度になると仮定します。
そこで、以下のように1年あたりの車両価格を算出してみます。
130万円で購入、20万円で売却した場合
(130 – 20) / 5 = 22万円/年
80万円で購入、10万円で売却した場合
(80 – 10) / 5 ≒ 14万円/年
自動車所得税はかかりませんので、1年あたりの車両価格は14万円~22万円となります。
ちなみに新車で12年間乗る場合(12年目の車検前に売却)には、1年あたりの車両価格は24万円となります。
このように計算していくと、故障のリスクや消耗品の交換費用などを考慮しても、基本的には値下がりした頃の中古車を購入して、部品交換頻度が高くなりすぎないタイミングで売却するのが一番コストパフォーマンスが良くなります。
新車を3年ごとに売却する場合や、輸入車を5年ごとに売却する場合など、いろんなパターンをチェックされると意外なことがわかるかもしれませんね!
駐車場代は意外とコストがかかる?
意外と侮れないのが、駐車場代です。大手の月極駐車場紹介サイト『駐マップ』によると、大阪や東京など平均月3万円を超えるところから、地方で4千~5千円のところまでさまざまです。
月3万円の場合には年間36万円、月4千円の場合には年間4万8千円ですから、その差は何と31万2千円にも及びます。
お住まいの場所付近の駐車場代金がいくらぐらいなのか、先に調べておきましょう。
- ご参考:駐マップ
ガソリン代の概算値はすぐに計算できる!
多くの人が関心を持つのが、ガソリン代ではないでしょうか。年間ガソリン代の計算は、(年間走行距離 ÷ 実燃費) × リッターあたりのガソリン代ですぐに計算できます。
たとえば年間7000キロ走行して、実燃費がリッター10キロ、レギュラーガソリン使用で平均120円だとすれば、年間ガソリン代はちょうど8万4千円となります。
ここでハイブリッド車を購入するかどうかを検討されている方であれば、上記の『1年あたりの車両価格』とガソリン代について、ハイブリッドモデルとガソリンモデルを比較すればお得かどうかおおよそわかってきます。
たとえば、同じ条件でハイブリッドモデルの実燃費がリッター18キロだとすれば、年間ガソリン代は約5万2千円なので、ガソリンモデルよりも年間約3万2千円節約できます。
これと1年あたりの車両価格を比較すれば、ハイブリッドモデルがお得かどうかがわかってきますよね。
※ハイブリッドモデルにはガソリンモデルには無い良さがありますので、目安の一つとして留めておくのがよろしいかと思います。
ちなみに実燃費については、一般にはカタログ燃費×70%で計算できますが、これはさまざまな道をまんべん無く普通に走った場合の概算値です。
高速道路で運転することが多い場合には、カタログ燃費を超えるような数値がでることもありますし、ストップ&ゴーが多いところではカタログ燃費の半分ぐらいになることもあります。
ですので、普段走行するシーンを想像してみて、70%の箇所を変更してから計算してみましょう。
同じ車で知人がリッター◎◎キロといっても、走る場所・環境も違えば、運転の仕方も違いますので、参考程度にとどめておきましょう。
追記:
カーセンサー.netのこちらのページで2台の車間の燃費コストを比較することができます。
燃費の良い車Aと、燃費のあまり良くない車Bを比較するのに便利ですね。
ちなみに燃費の入力欄では、実燃費(※目安は燃費(km/L)×0.7)を入力すると、より実際の値に近づきます。
まとめ
車のオーナーによって、維持費が大きく違ってくると思われる項目を3つ取り上げてみました。
他にも、自動車保険代は結構大きなウェイトを占めますし、車検代やメンテナンス代、自動車税・重量税なども計算しておいた方が良いです。
全部計算した上で、月ごとの維持費で無理がなく、予想外の出費にも対応できるようであれば万全といえます。
車は何かと維持費がかかりますが、行動範囲が大きく広がりますし、週末のお出かけで楽しみも増えますよね。
ということで、本記事が参考になりましたら幸いです。
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車の購入・維持などでお悩みの方は、「車の購入費&維持費は、年収で決めない方が良い理由」もぜひご一読ください。
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たとえ低年式の車や事故歴ありの車であっても、下取りよりも数十万円も高く売れることがありますので、まだチャンスがあります!