車は交渉して売らないほうが良い理由~一括査定の根本的な問題点とは?~
インターネット上で車の売り方について調べると、『一括査定』のページが山のようにヒットします。しかし、現在の一括査定のシステムでは、私たち売り側と営業マン(査定士)とのトラブルが後を絶ちません。
この理由は、私たち売り側が車の価値に見合った金額を求めているのに対して、営業マンはなるべく車を安値で買い取ることをノルマとして与えられているためです。
一括査定の本来の目的は、車の価値に見合った金額で車を売却することですが、これが上手く機能していないのです。この問題は、車を所有している大半の人に当てはまる重要な問題であると考えられますが、意外と知られていないのではと思います。
本記事では、一括査定における知られざる根本的な問題点とその解決策をご紹介いたします。
まずは一括査定の問題点について、具体的に説明していきたいと思います。
一括査定では、売り手側が圧倒的に不利
一括査定では、有力な中古車買取店がオークション形式で競い合いますので、買取価格が高くなる優れたシステムです。
ですが、オンラインの査定ではあくまで一般相場の金額が提示されるだけであって、実車の査定額は車の程度やオプションなどにより大幅に上下します。
ここで問題なのが、車の程度やオプションの価値は、私たち売り手にはよくわからないということです。
一方、買取側の営業マンは年間数百件の車を買い取っているプロですから、車を安く買い取るためのノウハウをもっています。
したがって、私たち売り側は交渉の材料や経験が圧倒的に少なく、かなり不利な側にいるという現実があります。
一括査定では、交渉しなければ幸せになれる
ここで、一括査定の本来の役割を考えてみると、買い手側が競い合って金額を決めることにあります。
つまり、私たち売り手側は交渉する必要がなく、市場価値に見合った金額で車を売ることができなければなりません。
それではどうすればよいのかと言うと、実はとっても単純なんです。
複数業者に実車を査定してもらい、営業マンには『一番高値を付けてくれた業者に車を売る』と伝えればよいのです。
ところが残念なことに、ここでも私たち売り側と営業マンとの間にトラブルが発生します。
実車の査定では、即決しないほうが良い理由
私たち売り側は、複数の業者に見積もりを取ってもらい、一番高い査定額の業者に車を売りたいと考えます。
具体的には、一括査定サイトに登録してから、各業者ごとに時間をずらして査定に来てもらうか、入札方式(同時間帯に一斉査定)で査定に来てもらいます。
一方、営業マンは、実車を査定したその日に契約を結ぶというノルマを持っています。
このため、他の業者に査定される前に、なるべく契約を結ぶためにあなたに交渉してきます。
私が一括査定を利用したときにも、とある一社が約束の時間より30分早く到着して、「最大額を支払うから即決してほしい」と申し出てきました。
前述したとおり、ここでの交渉は貴方が圧倒的に不利です。なぜなら最大額かどうかは、私たちにはわからないからです。
賢明な皆さまならお分かりかと思いますが、一社の言い値による最大額と、複数社で競い合ったときの最大額では後者の方が高くなるのは極めて自然なことです。
そもそもここで即契約してしまうと、一括査定の本来の目的とは外れてしまいます。
このように、私たち売り側と営業マンとは相容れない関係にあることがおわかりいただけるかと思います。
実際には、査定額をめぐる交渉でさまざまなトラブルが発生しています。
良くある例が、実車で査定された金額が後日変更となるケースです。いずれにしても、だましたり、だまされたりするような関係は、私たち売り側と営業マンの双方にとって好ましくありませんよね。
理想的な車の売り方とは?
このように、現在の一括査定のシステムでは、本来の目的とは外れて売り側にも負担が生じてしまっています。
しかし最近、売り手側に負担がかからない、理想的な一括査定システムが導入されるようになりました。
その名も、査定バンクです。このシステムでは、実車の査定に来るのは一社の査定士のみです。
しかもその査定士は、あなたの車を買いに来るのではなく、あなたの車の価値を調べに来ます。
そして査定されたあなたの車の価値を約60社に及ぶ買取業者に伝えて、各業者は実際の買取金額を提示します。その中から希望する業者を選んで、売却手続きを取るだけです。
今のところ査定バンクはあまり知られておらず、高値で売れるかどうかは未知数の部分がありますが、将来的にはこのタイプの一括査定システムがスタンダードになる可能性は十分にあると思います。
査定バンクの申し込み受付エリアは、2017年1月時点では、以下のエリアに限られます。
【東京、埼玉、神奈川、千葉、茨城、群馬、山梨、栃木】
まとめ
本記事では、一括査定における本質的な問題点についてご説明いたしました。
一括査定では、営業マンと交渉しないほうが良いことがおわかりいただけたかと思います。
『査定バンク』のシステムは、これまでの一括査定における問題点を解決する有用なシステムだと思います。
最後に、このタイプの査定システムにおける優れたメリットを以下にまとめたいと思います。
- 査定士と価格交渉をすることなく、オークション形式で落札額が決定する
- 車の知識がほとんどなくても安心
- 希望する業者以外には(貴方の)個人情報が伝わらない
- 車の買取業者にも手間や人件費が省けるというメリットがある
- 電話対応に追われることがない
査定バンクの最大のデメリットとしては、対象エリアが限られていること、そしてどれだけ高値で売れるのか不透明なところです。
私であれば、やはり車はなるべく高値で売りたいので、中古車業界大手で信頼できるカーセンサーの一括査定を利用します。
申し込みフォームに記入するためには、現時点での大まかな走行距離と、車検証が手元にあれば何とかなります。
追記:
以下に私が手持ちの低年式カローラを売却したときのレポートをまとめておきました。
正直なところ、へこみや傷が多くさびや不具合もあり、あまりよくない車で値段が付くかどうか微妙でしたが、意外と高値で売れました。
ちなみに車の売却に必要な書類については、カーセンサー.netの以下の記事が参考になります。
本記事が皆様の参考になりましたら幸いです。
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車の購入・維持などでお悩みの方は、「車の購入費&維持費は、年収で決めない方が良い理由」もぜひご一読ください。
また、車の売却 ・ 買い替えを検討されている方であれば、リクルートが運営している『カーセンサーの一括査定』が一押しです!詳しくは、「車の買い替えを検討されている方へ」をご覧ください。
たとえ低年式の車や事故歴ありの車であっても、下取りよりも数十万円も高く売れることがありますので、まだチャンスがあります!