最高級スポーツセダンはどれぐらい速い?最新データを一挙公開!
最高級セダンといえば、クルマのラグジュアリー部門における王道といえるカテゴリーです。
ラグジュアリーなセダンの中でも、ハンドリングやスポーツ走行性能を重視した特別グレードの高級スポーツセダンは、オーナー自らがハンドルを握ってドライブを楽しむことができるようにつくられています。
最高級スポーツセダンは大きなボディのクルマとは思えないぐらい限界性能が高いのが特徴ですが、ワインディングをグイグイ攻めるクルマというよりは、しっとりとした乗り味で心地よく曲がるというイメージに近いです。
ラグジュアリーカー故に大半の最高級車は2トンを超えますが、その重量を感じさせないほどの圧倒的トルクで軽快に走り出します。
最高出力は500馬力を軽々超えて、最高速度が時速300キロを超えるようなクルマがほとんどです。
日本にはアウトバーンのような速度無制限区間のある高速道路はありませんから、そんなに速くなくても良いような気もしますが、これだけエンジンパワーに余裕があると、アクセルを踏んでエンジンを回す機会が減り、優雅さが大幅にアップします。
エンジンルームから響き渡る音も、ピュアスポーツカーのそれとは異なり、上質な仕上がりになっています。
加速性能だけではなく、頑丈なボディと強力なブレーキに加えて、衝突回避システムや運転支援システムなどの安全面でも充実しています。
今回は世界中のクルマの中から、以下の条件に基づいて加速ランキングを作成しました。
- 自動車メーカーごとに最も高級かつパワフルなセダンをピックアップ!
- 評価指標は0-60 mph(≒0-100 km/h)
- 最新モデルのデータを参照
データは「0-60 mph」を参照していますが、馴染みのない方が多いと思いますので、「0-96 (km/h)」と記載しています。馬力は仏馬力(PS)です。
これまでと同様、各クルマについて、加速シーンの動画を貼り付けておきました。※一部、ドライブシーンの動画に切り替えています。
(補足)
0-100 km/h テストとは、停止状態からフル加速で時速100キロに到達するまでの加速テストを表します。
一般に、スポーツモード+トラクションコントロールOFFなど、極力速く走れるセッティングにしてから複数のGPSで計測します。詳しくは、「【2017】国産車・輸入車の0-100km/h加速 etc.!」をご一読いただくのがオススメです。
2017年7月11日更新
目次
【BMW】アルピナ B7 (2017)
- 0-96: 3.5秒
- 最高出力:608馬力 (447kw)
- エンジン:4.4L・V8気筒ビ・ターボ
BMWの高性能シリーズは「アルピナ」と「Mシリーズ」の2種類があり、アルピナは上質感を追及したモデルとなっています。
B7は、BMWの最上級セダンである「7シリーズ」をベースとしてチューニングが施されており、3000rpmから81.6kg・m (800Nm)という怒涛のトルクを発揮します。
下の動画の0-100 km/hでは3.6秒、0-160 km/hでは7.3秒を記録(※2回目)しています。メーターまわりが車名入りで特別感があり、オシャレですね。
ご参考:BMWのクルマはどれぐらい速い?全車種の加速ランキングを一挙公開!
【キャデラック】CTS-V セダン (2016)
- 0-96: 3.5秒
- 最高出力:649馬力
- エンジン:6.2リッター・8気筒スーパーチャージャー
キャデラックの最上級スポーツセダンです。6.2リッターのV8エンジンにスーパーチャージャーが搭載されており、最高649馬力ものハイパワーを出力します。
ターボチャージャーはタービンを回す分のターボラグが発生しますが、スーパーチャージャーは即座にパワーを出力できるというメリットがあります。
路面状況に合わせて減衰力を微調整する「マグネティックライドコントロール」により、優れたステアリング応答性と快適な乗り心地を両立しています。
Car and Driverのプレミアム・スポーツセダンのランキングでは、2位のアウディS6を超えて1位評価されています。
以下の動画は、制限速度が無制限の区間があるアウトバーンで時速315キロまで加速しているシーンです。
【ポルシェ】パナメーラ ターボ (2017)
- 0-96: 3.3秒
- 最高出力:550馬力
- エンジン:4リッター・8気筒ツインターボ
ポルシェのクルマは「スポーツカー」のカテゴリーで評判が非常に高く、このパナメーラもビッグセダン(注1)でありながらもスポーティさを重視してつくられています。
911やケイマン・ボクスターのエントリーモデルにターボが搭載されるようになったことに伴い、2016年7月発売モデルから、パナメーラにもパワフルで燃費効率の良いV6ツインターボが搭載されるようになりました。
最もパワフルなグレード「パナメーラ ターボ」は520馬力から550馬力にパワーアップして、0-96 km/hでは3.3秒を記録しています。さらにパワフルな「パナメーラ ターボS」は600馬力以上になる見込みです。
(注1) パナメーラはクーペのようなハッチバックのルーフラインを持ち、セダンとクーペの中間的な位置付けとなっています。
ご参考:ポルシェのクルマはどれぐらい速い?全車種の加速ランキングを一挙公開!
【メルセデス】S65 AMG (2014)
※写真のクルマは最高級ラグジュアリーグレードのマイバッハです。
- 0-96: 4.2秒
- 最高出力:630馬力
- エンジン:6リッター・12気筒ツインターボ
メルセデス・ベンツの最高級セダンである「Sクラス」の高性能パフォーマンスカーです。
最高級のラグジュアリーと、V12の大迫力のエグゾースト・ノートやエンジンパワーが見事に調和しているクルマです。
ちなみに新たにラインナップに追加された4シーター・オープンタイプの「S65 ガブリレ」は、0-96 km/hで4.0秒を記録しています。
メルセデスの高性能スポーツカーを開発しているAMG部門のクルマにつきましては、以下の記事をご覧ください。
【テスラ】モデルS P100D ルーディクラス (2017)
- 0-96: 2.5秒
- 最高出力:770馬力 (567kW)
セダンの中でもダントツで優れた加速性能を持つクルマです。エンジンではなく、バッテリーが動力源のEV(電気自動車)です。
ゼロヨンで有名な「DragTimes」の0-96 km/hでは、驚愕の2.5秒というセダンの中でダントツの新記録を更新しました。
特にスタートダッシュでは、EVならではの爆発的な加速がインパクト大であり、大半のスーパーカーが太刀打ちできないほどです。
以下の動画では、0-96 km/hで2.5秒を記録したことがあるランボルギーニ ウラカンとのゼロヨン対決(1分45秒~)をご覧いただけます。
これだけ速いクルマになると、発進時のコンマ1秒のずれでも結構な差が開きそうですね。
もっとも、これだけのパワーが必要なシーンはまずありませんが、話のネタにはなると思います。
ちなみに、SUVのモデルXは0-96 km/hで2.9秒を記録しており、こちらもSUV最速です。
ご参考:世界最速のクルマはどれ?ガソリン車?もしかしてエコカー?
【ジャガー】XJR (2016)
- 0-96: 3.8秒
- 最高出力:550馬力 (405kW)
- エンジン:5リッター・8気筒スーパーチャージャー
スポーツカーの開発を得意とする英国自動車メーカー「ジャガー」の最高級スポーツセダンです。
最高級車のカテゴリーとしては2トンを余裕で切るライトウェイトなボディを持ちます。
ご参考:ジャガーのクルマはどれぐらい速い?全車種の加速ランキングを一挙公開!
【アストンマーティン】ラピード (2016)
- 0-96: 4.2秒
- 最高出力:560馬力 (412kW)
- エンジン:6リッター・12気筒NA
世界で最も美しいセダンを目指して作られた、英国アストンマーティンのラグジュアリー・スポーツセダンです。
他の最高級スポーツセダンとは異なり、12気筒の自然吸気型エンジンを搭載しているところがミソです。
【マセラティ】クアトロポルテ GT S(2016)
- 0-96: 4.2秒
- 最高出力:530馬力 (390kW)
- エンジン:3.8リッター・8気筒スーパーチャージャー
スポーツカーの開発を得意とするイタリアの自動車メーカー「マセラティ」の最上級セダンです。
【アウディ】S8 plus (2017)
- 0-96: 3.3秒
- 最高出力:605馬力 (445kW)
- エンジン:4リッター・8気筒スーパーチャージャー
アウディの最上級セダン「A8」の高性能パフォーマンスモデルです。
1750rpmという低回転から71.4kg・mの強力なトルクを発生させるため、アクセルひと踏みで怒涛の加速を体感できます。
Car and Driverのプレミアム・パフォーマンスセダンのランキングでは、2位のS63/S65 AMGと3位のXJRを超えて、1位評価されています。
ちなみに4ドア高性能クーペのRS7も同じ3.3秒をマークしています。
ご参考:アウディのクルマはどれぐらい速い?全車種の加速ランキングを一挙公開!
まとめ
世界中のラグジュアリーセダンの中から、スポーツ走行にもこだわったクルマを一挙にご紹介しました。
ちなみに国産の高級セダンでスポーティさにこだわったクルマとしては、ホンダのレジェンド、レクサスのGS F、日産のフーガHV(もしくはスカイラインHV)などがあります。
詳しくは、以下の記事をご覧いただければと思います。
ご参考:国産スポーツカーの加速性能をまとめてチェック!0-100 ランキング TOP18
本記事が皆さまの参考になりましたら幸いです。