よくわかる高級セダンと大衆セダンの違い

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「いつかはクラウン」と昔から言われるように、高級セダン・クーペに憧れを持つ人は多いと思います。しかし、高級セダンと大衆セダンの違いは意外と知られていないんですよね。

インターネット上では架空の議論がなされていたりしますが、やはり実際に両者をそれなりの月日を経て乗らなければ、その違いを比較することは難しいと思います。

私は幸運にも、たまたま両方の車を所有しています。そこで本記事では、大衆車の典型例であるカローラとラグジュアリー感とスポーツ性能を合わせ持ったレクサスISを比較してみました。

レクサスISと比べてしまうと、どうしてもカローラの評価は低くなってしまいますが、私は価格の割にはカローラも良いと思っています。

 

カローラとレクサスISの基本スペックは、以下のとおりです。

カローラ luxel レクサス IS350 versionL
 年式 2003年 2006年
 車両価格(オプション込み) 約200万円 約570万円
 中古価格(車両のみ) 40万~60万円(2003年式) 100万円~250万円(2006年式)
車両重量  1100kg  1630kg
エンジン出力(トルク) 132ps (17.9kg・m) 318ps (38.7kg・m)

カローラと比べて、レクサスISの価格幅が大きいですよね。これは、レクサスISについて、以下の要因によるものです。

・ グレード: バージョン S、L、該当なしの違いが大きいです。

・ オプション: 数万円のスカッフイルミネーションから数十万円のBOSSサウンドシステムなどオプション価格が幅広いためです。

・ 車体の色:白・黒とシルバーでは10万円以上の差があったりします。

・ 車体の状態: カローラよりも、走行距離、タイヤの残り溝、傷やへこみの程度による価格差が大きいです。

 

カローラとレクサスISを比べると、以下のような違いがあります。主観的な評価となりますので、あくまでも参考程度にとどめていただければと思います。

カローラ 1.8l レクサス IS350
見た目(外観) 小柄なセダンというイメージ スタイリッシュで美しい
内装 プラスチックを多用していますが、ぱっと見は悪くありません 素直に『おおっ』と思える良さ
ドアの厚さ 薄いですが、気になるほどではありません 重厚感たっぷり
運転フィール 60km/hまでは軽快でかなり良いです 地面に張り付いているような感覚
エンジン出力 燃費重視 レスポンスや自然な加速感を重視
オプション装備 基本的に必要最低限 ありすぎて使いこなせない人もいるかもしれません
車幅 狭くて取り回しが良い カローラより10cm広いため、慣れないうちは気を遣います
乗り心地 60km/hまでは良好 凹凸の多い道以外はとても良いです
直進安定性 加速や高速道路で多少ふらつきます 抜群の安定感
コーナリング 意外と良いです 地面に張り付いて曲がるような感覚があります
運転の楽しさ シフトノブを使ってメリハリのある運転が楽しめます コーナリング、モード切替、パドルシフトによる運転が楽しい
燃費 ゆったりとしたアクセルワークであればGOOD 3.5lの割には良いですが、カローラより良くなることはほぼ無いです
静粛性 加速時やアイドリング時のエンジン音や、外部音が気になる アイドリング音がハイブリッドかと思う静かさ

 

以下に上記ポイントの一部をピックアップしてみました。

 


ドアが分厚い

レクサスISのドアは、カローラと比べてかなり分厚いです。ドアの重さも相当違います。

同じクラスの輸入車と比べても、レクサスISのドアは分厚く、重いです。女性の方やお子様には、重すぎるかもしれません。例えるならば、デパートに入るときの分厚くて重いドアを開けるようなイメージです

このようにドアが分厚く重い理由は、安全性の面だけでなく、高級感と車体剛性を高めるためです。レクサスISの場合、ドアを閉めたときの重厚感のある音が心地良く、最初のほうは何度も開け閉めしたくなります(おそらく)。

ドアの付近には衝撃を緩和する素材がたくさん使われていて、ドアを閉めたときの音は低い音を奏でる楽器のような感じです。

ドアを少し押して閉めても、ズドンという音が聞こえるので、自分がスーパーマンになった気分になります。もしかして、こう感じるのは私だけかもしれません(笑)。

ちなみに、レクサスISは、ドアだけでなくトランクやボンネットも重くなっていて、高級感を演出するようになっています。

ドアが分厚いと、高級感があるように思えるのですが、この感覚って不思議ではあります。

 

車幅が大きく迫力がある

高級セダン・クーペは1.8mを超えることが多いです。これは単に迫力の面だけでなく、車幅が広いと直進安定性が高くなるからでもあります。

高級セダンは基本的に車長が長いのですが、クーペやスポーツセダンの一部は車長が短めです。この理由は、ホイールベース(前輪から後輪までの長さ)が短くすると、旋回性能を高めることができるからです。

車幅の広さは、高級セダン・クーペのデメリットにもなります。車幅が1.9m以上を超えてくると、狭い駐車場などでは左右のスペースを作ることができる場所を探す必要がでてきます。

この点では、カローラの車幅は約1.7mなので有利なのですが、レクサスISの車幅は約1.8mと高級スポーティセダンの中でもコンパクトですので、駐車で困ったことはいままでありません。

1.8mを超えると、全幅1.85制限の立体駐車場に入らないなどの不便が生じてきます。

意外にも、レクサスISにはバックモニタとオプションのクリアランスソナーがあるため、バックでの駐車が安全かつ楽にできます。
 

ハンドルの質感と操縦性が良い

高級スポーツセダン・クーペのこだわりとして、とても重要なのがハンドルの握り心地です。ハンドルのフィーリングが良くないと運転も楽しめないでしょうから、メーカーとしてもかなり力を入れているはずです。

さて、レクサスISのハンドルは握り心地がソフトで、高級感もあります。運転席に座ってハンドルを握った瞬間、これから楽しい運転が始まることを予感させます。

一方、カローラのハンドルはツルツルしているため、ハンドルを回しているときの安定感が微妙です。ハンドルも軽くてクルクル回ります。これはある意味楽しいといえます。

静粛性が抜群に良い

車内が静かであるかによって、ドライブ時の落ち着き感がずいぶんと変わります。

レクサスISには、人が不快に感じるような音や振動が起きないように、これでもかというぐらいに配慮がなされています。

たとえばボンネットを開けると、カローラはエンジンがむきだしの状態ですが、ISはカバーで覆われていて、(ボディの様々な箇所に)振動や音を吸収/遮断する材用が詰まっています。

このため、アイドリング中の音や振動がほとんどなく、外部の音もほとんど入ってこないため、上質なプライベート空間にいるような感覚があります。

窓を閉めた状態で外の人に話を伝える場合には、相当大きな声を出す必要があるほどで、救急車の音や踏切音ですらごく小さな音として耳に入ります。

またアクセルを踏み込んだときの音の大きさも、ISとカローラで顕著に違います。IS350は3.5リッター+6ATの組み合わせで、思いっきりアクセルを踏み込むようなことがない限り、かなり静かな状態です。

一方、カローラは1.8リッターとこのクラスにしては排気量が大きくパワーのあるエンジンを積んでいるものの、CVTが搭載されていて、アクセルを踏んでエンジンが高回転に回ったときの音が不快感をもたらします。

ちなみにハイブリッドカーはモーター走行中にはエンジンがかかっていないためものすごく静かですが、基本的に排気量の小さなエンジンが搭載されているため、エンジンがかかったときとの音が大きく、しずかなときとのギャップが大きいのが欠点です。

多人数&多荷物でも余裕がある

車は一人で運転するときと、複数人が乗ったり、重い荷物を積んだときとでは運転感覚がずいぶんと違います。

カローラの場合、一人で運転する分にはパワーは十分(0-100加速でも7~8秒と意外なほど瞬足!)なのですが、4人が乗車すると出足のもっさり感はもとより、ブレーキ力の足りなさを強く感じるようになります。

一方、IS350の場合、乗員1~2人の状態ではパワーを持て余し、大人4人を軽々と引っ張るパワーを持ちます。ブレーキの効きが早いパッドが装着されていますので、余程飛ばさない限り、減速時も余裕があります。

またエンジン音が静かで、外部音に対する遮音性も高いことから、後部座席の人との会話も普通にできます。


上記以外にも、気づいたことがあれば追加したいと思います。

 

なお、中古車のカローラとレクサスIS250の維持費の差は、年間走行距離に依存するのですが、年間1万キロで月2万円ほどです。

中古の高級セダン・クーペに関心をお持ちの方は、その良さと維持費の差を考慮した上でご購入を考えられてはいかがでしょうか?

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