スカイライン 350GT ハイブリッドの試乗&徹底レビュー

スカイラインHV

世界最速レベルのハイブリッド車であるスカイライン 350GT ハイブリッドの魅力&試乗レビューをお伝えいたします。

この車の特徴は、高級セダンにふさわしい最先端の安全システム&ドライバー支援システムに加えて、何といってもハイブリッド車最速クラスの走行性能と1.8リッターのガソリン車クラスの燃費(18.4km/l)を備えていることだと思います。

今回訪ねたのは、愛知県名古屋市の日産プリンス名古屋です。ショールームに入ってすぐのところにGT-Rが展示されています。そして実はお店の裏側の整備場には、複数のR35 GT-Rが並べられていることがあります。

GT-R

既にご存知の方も多いと思いますが、R35 GT-Rは世界のスーパーカーと対等以上の性能を有しています。

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そしてスカイライン 350GT ハイブリッドは、R35 GT-Rの遺伝子が少なからず入っていて、ハイブリッド車の中でも飛び抜けた性能を有しています。

また世界初の「ダイレクトアダプティブステアリング」と呼ばれるハンドリングシステムが搭載されていて、右左折や山道などではかなり重宝します。

スカイラインクラスのクルマは取り回しが苦手なことが多々ありますが、このシステムのお陰ですごく楽に運転できます。

実際にこのクルマをレンタカーで借りて、芦有ドライブウェイの山道で走り込んで、ダイレクトアダプティブステアリングの効果を検証した動画を公開しましたので、そちらもぜひご覧ください。

本記事では、このスカイライン 350GT ハイブリッドの魅力を余すことなくお伝えいたします。

https://www.youtube.com/watch?t=1&v=tRpVIG7o2MI

 
(※動画をバージョンを公開いたしました)

 


とても静かなのに抜群に速い

 

ハイブリッド車&セダンの強みといえば、やはり静粛性ですよね。発進時にモーターがアシストするおかげで、エンジン回転数を抑えることができ、静粛性を高く保つことができます。

スカイライン 350GT ハイブリッドには3.5リッターのエンジンが搭載されていて、同じ3.5リッターのガソリン車と比べると、停止状態からアクセルを踏み込んでも静粛そのものです。吸音材もたくさん使われているようですね。

先日、2001年式のメルセデス・ベンツSクラス(S320) をレンタルして、その静粛性の高さに驚きましたが、街中ではスカイライン350GTハイブリッドのほうが静かな印象を受けました。

そしてこの車はとにかく速いです。車両重量は2トン近くあり重量級セダンに位置しますが、走り出しやコーナーリングが滑らかなので、とても重量級とは感じられません。その秘密は、モーターのアシスト、機敏なステアリング、そして優れたブレーキ性能にあります。

まず加速性能を見ると、3.5リッターのV6型エンジンとモーターを合わせて364psを発生し、0-100km/h加速は4.9秒(公式)に達します。実際のテストでも、ハイブリッド車として最速クラスのデータが得られています。

たとえば、Motor Trendの0-60 mph(≒0-100km/h)テストでは、スカイライン 350GT ハイブリッドが4.9秒、ポルシェパナメーラハイブリッドが5.2秒、レクサスGS450hが5.2秒となっています。

Figure 8と呼ばれるコーナリング性能のテストでは、ハイブリッド車の中ではポルシェパナメーラハイブリッドの24.7秒の次に速い25.8秒を記録しています。同じクラスの記録としては、スバルWRX STIの25.3秒やBMW335iの25.6秒、ジャガーFタイプ Sの25.4秒が挙げられます。

60-0 mphのブレーキングテスト(96.6km/hから停止までにかかった距離)では、35.1メートルとなっていて、ガソリンモデルと比べると2メートルぐらい伸びています。この記録(35.1メートル)と同等なのは、レクサスIS250とレクサスGS450hです。ちなみに2014年度のプリウスは36.9メートルです。

 

峠道でのドライブがめちゃくちゃ楽

 
スカイラインには、ダイレクトアダプティブステアリングと呼ばれる電子制御のハンドリングシステムが搭載されています。

これは、物理的なハンドル操作量をデジタルデータに変換することにより、少しのハンドル操作で車の舵取りができるようになるシステムです。

これの何が良いのかというと、街中での小回りや駐車場での取り回しなどに加えて、峠道でのドライブでハンドルをたくさん切らなくて済むことです。

かなりRのきついカーブでも、180度以上ハンドルを切らなくて済むことが多いので、これは本当に楽でした。

夜景とか綺麗な景色を見に山道を登るときには、かなり重宝するシステムですね。

PS. 山道での走行シーンを、他のクルマ3台(ロードスター、C63AMG S、ウラカン)と比較した動画をアップロードしました。ダイレクトアダプティブステアリングの効果を体感されたいかたは、ぜひご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?t=1&v=4GZeUdI3tW8

 
 

安全システムが充実している

スカイライン=アラウンドビュー

前述のとおり、スカイラインは相当速い車ですが、安全性も世界トップレベルです。JNCAP(自動車アセスメント)の予防安全評価では、最高レベルの評価を得ています。全方位をカバーする衝突しない車を目指して相当力を入れていることがわかります。

また、運転が不慣れな方でも安全にドライブを楽しめるようなシステムが搭載されています。たとえば、360度モニターや接近センサーが搭載されています。

駐車時には、モニターを見れば車体が傾いているかどうかが一目瞭然なので、ラインに沿って綺麗に駐車できます。バックモニターだけの場合には、車体感覚が掴みにくいという経験をされた方でも、360度モニターがあれば楽々です。接近センサーは、見通しの良くないところで発進した場合に心強いです。人や車などが接近してくると、モニターが切り替わり、警告音で知らせてくれます。

車線逸脱傾向(LDW)は、フロントカメラにより車線を認識し、車線内を走行できるようにサポートするシステムです。時速70km/h以上で作動しますので、高速道路あるいは一般道でスピードを超過しているとき用ですね。

 

程よい高級感がある

SH1

スカイライン350GTハイブリッドにはインフィニティのエンブレムが付いています。押しが強く、高級車としての貫禄がありますよね。

デザインの好みは人それぞれですが、個人的に気に入っているのが、世界初の革新的な技術を導入したクルマとして、他のクルマと被らないルックスかつ、奇抜でもない精悍なデザインに仕上がっていることです。

同じハイブリッドカーのノート e-POWERも凄く良いクルマなのですが、せっかくの新しい技術を導入したクルマなのに、見た目が普通すぎて惜しいなぁと常々感じています。

インテリアはやはり速さを象徴するかのように、スポーティーな仕上がりになっています。より高級感を求める方向けに、オプションでセンターパネルをメタリックから木目調に変更することができます。

スカイライン(後部座席)

横からのルックスもロングボディの割にはスポーティです。このモデル(タイプSP)には19インチのダンロップタイヤが装着されていました。

スカイライン(横)

 

快適性はどうか?

 

高級セダンとして重要なのが、なるべく快適に目的地に着くことだと思われます。前述した加速力や静粛性、安全システムなどは、快適性を高めることに大きく貢献しています。

スカイライン(凸凹道)

それでは、乗り心地はどうでしょうか?ありがたいことに、試乗中に凸凹の続いた道を走行させていただきました。試乗車は19インチのランフラットタイヤを履いていましたので、路面の凹凸を拾ってそれなりに揺れるため、快適とはいえないものの、不快な突き上げがなく、ふつうに通れるレベルでした。

ちなみに同じ道をトヨタアリオン(15インチのタイヤを装着)に乗って走行したときは、車が小刻みに揺れすぎで2度と通らない道となりました。

メルセデス・ベンツS320(2001年式)で通ったときには、ゆらりと揺れる程度であり、さすがのエアサスペンションだなぁと感心しました。でもちょっと船酔いのような感じになったのは秘密です。

スカイライン GT350 ハイブリッドには、路面の凹凸を乗り越えたときにも直進できるように、車の舵取りを自動調整してくれるシステムが搭載されています。今回の試乗でも路面の凹凸のある道をいつくか通りましたが、たしかにハンドリングを気にすることなく進めていました。それだけ自然に動作するということですね。

ご存知の方も多いと思いますが、輸入車を含めて、多くの高性能スポーツカーは路面の凹凸や轍の影響を受けて、ハンドルがとられやすいという大きな欠点があります。GT-Rもこの弱点があります。

この点、スカイライン350GTはより落ち着いて運転できるのがとても良いですね。

ちなみに今回は高速道路での試乗はありませんでしたが、車線逸脱傾向(LDW)と上記のシステムを組み合わせると、自動運転システムのようなオンザレールを体感できるようです。

後部座席の広さは、スポーツセダンらしくタイトな分、普通のセダンといった感じです。日本人の平均的な体型の筆者であれば、座ったときに膝から握りこぶし2つ以上のスペースはありました。

 

ココが気になる!

 

試乗で最も気になったのが、回生ブレーキの聞き具合です。赤信号などで停止するときに、回生ブレーキが効き具合が毎回微妙に違うため、ブレーキの踏み込み具合をその都度調整する必要があります。慣れれば気にならないものの、改善の余地ありですね。

コツとしては、ブレーキを少しずつ踏んで回生ブレーキの利き具合を把握しつつ、線形で滑らかに減速していく感じにすれば、上質な乗り心地をキープできます。

それと、トランクルームについても触れておきたいと思います。ガソリンのターボモデルの200tが392Lに対して、ハイブリッドモデルは310Lと微妙なところです。こちらの記事では、ガソリンモデルと同じでキャディバックがかろうじて4つ入っています。私はゴルフをしませんので、このトランクルームの大きさで十分なのですが、気になる人も少なからずおられると思います。

意外なのが、あまり口コミ評価の良くないダイレクトアダプティブステアリングと呼ばれるシステムです。簡単に言えば、ハンドル操作を電気信号に変換することにより、少しのハンドル操作で直感的にハンドルを切ることができるシステムです。

いろんな人の評価を見ると、ハンドル操作が機敏すぎるということでしたが、個人的にはまったく気になりませんでした。一応、ステアリングについては3つのモードが用意されていて、『おだやか/軽い』に設定すれば反応が緩めになります。

ただ「おだやか/軽い」だと走行中に微妙にハンドルが左右に動くため、どちらかといえば操舵力が「しっかり」(ハンドル重め)で操舵反応が「クイック」のほうが好みでした。

スカイライン(ドライブセレクター)

また、海外メディアのレビュー記事を読んでいると、デュアルスクリーンシステムが複雑で扱いにくいというレビューをよく見かけます。

個人的には気にならなかったものの、たしかにごちゃごちゃ感がありますので、車の操作が不慣れな方にもやさしいインフォメーション・システムが求められていると感じます。

 


総評

 

ハイブリッド車といえば燃費を重視した車が多い中、スカイライン 350GT ハイブリッドは一味違うことがお分かりいただけたかと思います。

ハイブリッド車として世界トップレベルの走行性能に加えて、またしても世界トップレベルの安全システム、1.8リッターのガソリン車クラスの燃費、そしてラグジュアリーという豪華仕様です。

安全システムが搭載されたタイプPは500万円ですが、上記のことを考慮すると十分お買い得と言えるかと思います。

良いセダンをお探しの方は、以下の記事も参考になるかと思います。

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スカイライン350GTの中古車在庫は、カーセンサーNETのこちらのページからチェックできます。中古車であれば、早く手に入るところが嬉しいですね。今なら新車並みに程度の良い個体もあり、購入する価値は十分にあると思います。

 


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