ポルシェ911 カレラ 4 の試乗インプレッション~峠道や高速道路を思う存分走りました!
人気セダン・クーペの魅力をお伝えする企画の第4弾として、ポルシェ911 カレラ4 (2014年式)の試乗レビューをお伝えします。
911シリーズは、ポルシェのラインナップの中で随一のピュアスポーツカーと言われています。車好きの一つのゴールでもあり、世界のスポーツカーの中でも常にトップクラスの評価を得ています。
さらにピュアスポーツといえども、快適性や乗り心地は上級サルーンに負けていません。一心同体の運転感覚も相まって、普段乗りが非常にしやすいスポーツカーでもあります。
今回の試乗では、この車好きのハートを鷲掴みにしている911シリーズの4WDバージョン(PDK)をお借りして、一般道だけでなく、峠道や高速道路を思う存分に走りました。
ちなみにポルシェ911は車に乗り込む前から普通じゃない感が漂っています。フロントやリアの独特のポルシェルックスに加えて、運転席からサイドミラーに映る流線型の盛り上がったフロントのルックスがとても官能的です。走り出す前からワクワクしますね!
ワインディング(峠道)の走行インプレッション
今回の試乗車は(ほぼ)初めての左ハンドルに加えて、サイドミラーに映る盛り上がった車体やワイドに広がるフロントウィンドにより、車体感覚を掴むのに苦労しました。
道幅が狭くて、左ハンドルなので死角も大きいため、峠道で気持ちよく走るためには運転慣れが必要であると感じました。
ただステアリングはすごく正確で、車の挙動がイメージしたとおりになるため、まるで自分が車に同化したかのような感じがしました。
スポーツエキゾースト音をONにして走るのが非常に楽しかったです。狭いワインディングロードでは軽快に走るというよりも、4WD+リアエンジンの重厚なグリップ感・加速感を楽しむような感覚でした。高回転までエンジンを回せば(余裕で速度超過ですが)、また違った楽しみ方ができそうですね。
また特に気に入ったのが、安定感抜群の走りです。やや攻めるように走っても、ボディの挙動が乱れることなく、ブレーキングも強力で安心感があります。PTM(ポルシェ・トラクション・マネージメントシステム)の恩恵を受けているのでしょうね。
妻が隣に座っていたのですが、『ブレーキングやアクセルワークで体が揺さぶられることがほとんどなく、シートに包まれているような感じで気に入った』とのことです。
アクセルを踏み込んでも、コーナリングでも、強めのブレーキングでも前後左右に揺さぶられず、自分を中心に車が動く感覚は、何とも言いえない良さがあります。
またスポーツカーでよくあるようなギクシャク感やシフトショックがなく、トラクションコントロールを含めて、すべての動作が本当にスムーズでした。先日試乗したレクサスRC Fとはスムーズさにおいて雲泥の差があるように思います。
911 カレラ4にはノーマルモードのほかに、スポーツモードとスポーツプラスモードがあります。スポーツプラスモードにすると、スポーツエキゾースト音モードがONになり、常に低いギアに設定されるため、いかにもスポーツカーに乗っている感じですごくアグレッシブになります。
それとスポーツモード+パドルシフト操作(マニュアルシフト操作)も使い勝手が良好でした。パドルシフトは上下長めの作りになっているため、ワインディングでハンドルを切っている最中でも簡単に操作できます。
PS. 運転シーンの一部をまとめて、動画を作成しました。
高速道路の走行インプレッション
ノーマルモードで走っていると、上級サルーンのように落ち着いた感じで運転できます。静粛性の面では、私が普段運転しているレクサスIS350(前期型、ミシュランプライマシー3装着)と比べると、ロードノイズがやや大きいぐらいでした。
荒れた路面の上ではやや大きめのノイズが入ってくるものの、道路の継ぎ目での突き上げ感もほとんど気にならないレベルだと思います。路面の情報を上手く伝えてくれるため、運転していて非常に安心感がありました。
スポーツモードに切り替えると、それまでの落ち着いた雰囲気とは一転します。スポーツエキゾースト音がONになってエンジンサウンドが車内に響き渡り、アクセル感度が高まりますので、非常にアグレッシブな感じになります。
アクセルをちょこっと踏み込むと、エンジンを吹かしたときのサウンドが楽しめます。あまり飛ばさなくてもエンジンサウンドを楽しみながら運転できるため、運転免許を守れるのが個人的に嬉しいです。
スポーツプラスモードに設定すると、常に高回転になるように2~3速ぐらいまでギアが下がります。飛ばしても大丈夫そうなところで使う感じでしょうか。
ちなみに試乗車にはクルーズコントロールが付いていましたが、運転が楽しすぎるので一切使いませんでした。
カレラ4には上位グレードのカレラ4Sやカレラ4 GTSがありますが、高速道路でのパワーはカレラ4で必要十分だと思います。
一般道の走行インプレッション
カレラ4には最大350psを出力する水平対向6気筒エンジンが搭載されているのですが、ノーマルモードで走行している限りでは非常に穏やかなフィーリングです。かといって先行車に後れを取るようなこともなく、絶妙なセッティングになっています。普段乗りにはもってこいのセッティングですね。
またノーマルモードでは、スポーツエキゾースト音をオンにして、ゆっくり運転しつつエンジンサウンドを楽しむような走り方もできます。
スポーツモードに切り替えても、飛び出すような感じではなくマイルドなままで、アクセルワークに対する反応が素早くなるようなイメージでした。スポーツプラスモードは一転してかなりアグレッシブになります。
運転席からの前方の見晴らしについては、扇形に広がる感じで良好でした。ただ車両斜め後方の死角は大きかった覚えがあります。
カレラ4の限界性能は?
Motor Trendのテストデータを調べてみると、カレラ4のテストデータはありませんでしたが、上位スポーツバージョンのカレラ4Sのラップタイムが見つかりました。
カレラ4Sは最高出力400ps、最大トルク44.9kg・mの水平対向V6エンジンを積んでいます。価格は1655万円~であるため、カレラ4を購入できる方であれば、カレラ4Sも十分手に届く範囲だと思われます。
カレラ4Sの0-100km/hは3.8秒(スポーツプラス)、最高速度は303キロ、コーナリング性能は24秒台(予測値)です。また、ラグナセカでのラップタイムは1分39秒19です。
カレラ4Sと同じぐらいの性能の車としては、BMW M4やキャデラックATS-V、ジャガーFタイプRクーペなどがあります。
もっとも、カレラ4の魅力は性能面以外にも、ドライバーズカーとしての良さにあると思います。
↓ ポルシェ カレラ4の0-285km/h
ここが気になる!
スポーツカーとしての欲を非常に満たしてくれる車ではありますが、よりコンパクトで速い、ポルシェ ケイマンGT4という手強いライバルがいます。
カレラ4が1437万円(カレラ4Sは1712万円~)からであるのに対して、ケイマンGT4は1064万円からとなっており、ケイマンGT4の方がお値打ち感があります。
ただケイマンGT4は2人乗りですから、収納スペース的には後部座席のあるカレラ4に分配があがると思います。(※その代わり、ケイマンGT4はリアにもトランクスペースがあります。)
もう一点、若干気になったのが車幅の間隔です。フロントのフェンダーが盛り上がっているような構造になっているため、普通の車と比べて、左右のぎりぎりのラインが非常にわかり難かったです。慣れが必要だと思いました。
感想
今回、ポルシェ911カレラに初めて乗りましたが、車好きの憧れとしてふさわしい出来であると感じました。私もこの車を一つの目標にしたいと思います。
それと今回の試乗での一番の収穫は、妻がこの車を気に入ったことです。女性好みのルックスに加えて、助手席の乗り心地も良いですから、女性受けも良さそうですね。
後部座席を荷物置きにできますので、ショッピングに出かけてもあまり不便さを感じないところも良いと思います。大きめの物を買う場合には、現地で郵送もしくはオンラインショップで対応できますので、基本二人乗りでアウトドア派ではなければ、この車で特に不便に感じることはないと思います。
この価格帯の車が買える方であれば、ジャガーFタイプもおすすめです。
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とても楽しく読ませて頂きました。
おそらく誤字だと思いますが、水平対向6気筒でありまして、水平対向V6エンジンというのは、訂正されたらと思います。
失礼致します
通りすがりさん、ご指摘ありがとうございました!これは恥ずかしいミスです。。。訂正いたしました。