レクサスNX Fスポーツの魅力: スポーツセダンより速いSUV?『試乗レビュー』

SUVの魅力をお伝えする企画の第2弾として、レクサスNX 200t Fスポーツの試乗レビューをお伝えします。

今回は大阪市にあるグローバルオートレンタカーにて、NX 200t Fスポーツを1日レンタルして、信貴生駒スカイラインを通って、綺麗な夜景が見れる「鐘の鳴る展望台」までドライブに出かけました。

レクサスNX F【縮小)

ご存知の方も多いと思いますが、SUVは重心の高さと重い重量という二つのハンデを抱えていて、乗り心地や走行性能はセダンタイプには大きく劣ります。ですが、NX 200t Fスポーツは高級車としての顔を持ちながら、スポーツセダンと互角に張り合える程の性能があります。

NXは全幅1.84メートル、全長4.63メートルのサイズで、見晴らしが良い分、比較的運転感覚はつかみやすいクルマです。NX 200t Fスポーツは、6速ATのパドルシフト付きであり、CVTではなくトルコン式ATであるため、パドルシフトでマニュアル操作をしている感覚を楽しめます。

レクサスNX_paddle

内装はレクサスISやRCと共通であり、要所要所で使われている素材が異なります。さすがのレクサスクオリティだけあって、同価格帯(400~600万円)の輸入車と比べると内装の質感はワンランク上(特にバージョンL)です。

エクステリアは迫力満点です。側面のエッジもかなり特徴的であり、街中ではかなり目立ちます。夜間は三眼フルLEDヘッドランプが綺麗です。NXのスピンドルグリルについても、このSUVには似合っていると思います。

主観ではありますが、レクサスISのように車高の低いタイプの場合、のっぺりした印象がぬぐえませんが、SUVのように車高が高い場合には、スピンドルグリルはスペースに余裕がありしゃきっとしたイメージになると思います。

 


スポーツセダンクラスの走行パフォーマンス

レクサスNX(モード)

レクサスNX 200tのエンジン最高出力は283psであり、Motor Trendの走行テストによると4WDのFスポーツの0-60mph(以下、0-100km/h)はジャスト7秒です。ちなみにハイブリッドモデルの300hは8.3秒です。

この車には4つの走行モードがあり、エコモードやノーマルモードで発進すると、車両重量が1800キロある車であることを実感させられます。しかしスポーツモードやスポーツモード+にスイッチすると、『おおっ』と感じるような低速から滑らかで力強い加速を楽しめます。

レクサスNX_ワインディング

さて、やはり重要なのがコーナリング性能ですよね。実際にワインディングロード(曲がりくねった道)を走行してみたところ、地面に張り付くような粘り強さがありました。

Motor Trendの走行テストでは、60mph(≒100km/h)からのフルブレーキが35.4メートル、Figure 8と呼ばれるコーナリングテストでは27.1秒を記録しています。これは、現行のレクサスIS250とほぼ同等の性能です。

ちなみに、CX-5 (2015)のコーナリング性能は28.6秒、三菱アウトランダースポーツ2.4GT(北米仕様)が28.7秒です。

実際にNX(Fスポーツ)で山道を運転してみると、やや重心が高いように感じますが、路面をしっかりつかんで走っている感覚がありました。

さらに走行性能の高いSUVは、基本的には輸入車となります。たとえば、アウディSQ5【約800万円)は0-100km/hが4.4秒、コーナリング性能が26.5秒、BMW X4 xDrive35i(約800万円)は0-100km/hが5.2秒、コーナリング性能が26.2秒を記録しています。

そしてSUV最強のクラスが、ポルシェマカンターボとメルセデス・ベンツGLA45 AMGです。ポルシェマカンターボの0-100km/hは4.3秒、コーナリング性能は25.0秒です。そしてメルセデス・ベンツGLA45 AMGの0-100km/hは4.2秒、コーナリング性能は25.0秒であり、ポルシェマカンターボとのタイムアタック勝負でも拮抗しています。

https://www.youtube.com/watch?t=1&v=_IvF4X658hY

 
ちなみにその他の国産SUVのコーナリングテストでは、コンパクトSUVのCX-3 XD ツーリング(2016年式)が27.6秒、日産JUKE ニスモRSが26.1秒、レガシィ アウトバック 2.5i が26.3秒でそれぞれ素晴らしい記録をたたき出しています。なお、特別な表記が無い限り、いずれの車も2015年のテストデータとなります。

 

上質の乗り心地

レクサスのFスポーツのモデルは、ハンドリングや走行パフォーマンスを高めるとともに、ノーマルよりも乗り心地が良くなるように工夫されています。

レクサスNXの場合、フロントとリアにパフォーマンスダンパーと呼ばれる足回りの剛性を強化するパーツが取り付けられていて、走行中の細かな振動が抑えられます。

これに加えてショックアブソーバーの減衰力を最適に自動調整することにより、路面の凹凸をしなやかに乗り越えていきます。

実際に凸凹の大きな道を走行したところ、振動がすぐに収まるため、乗り心地はけっして悪くなかったです。

同乗していた妻と妻の母も乗り心地が良いと褒めていました。ただ高速道路の継ぎ目や凹凸が大きなところでは、突き上げ感が大きく、ラグジュアリータイプの車としてはあまり好ましくないと感じました。

静粛性については、さすがにレクサス車らしくコストをかけていて静かでした。

ちなみに霧&雨の悪天候の中で峠を走りましたが、車自体の安定性&視認性が良く、楽しく運転していました。

レクサスNX_霧&雨

以下は、レクサスNX Fスポーツのドライブシーンです。

https://www.youtube.com/watch?t=1&v=PeSupzE2iLM

 
こちらは夜間バージョンです。

https://www.youtube.com/watch?t=1&v=S-5qTPt7IxE

 

利便性は十分

レクサスNX_トランク

車内の広さは、後部座席も大人がゆったり座れるスペースがあります。レクサスNXは車高はあまり高くありませんが、座高が高めの私でもこぶし2個分ぐらいの余裕がありました。

トランクの広さはSUVとして標準的な容量です。上の写真は、買い物の付き添いでコーナンに土を買いに行ったときに撮影しました。

試乗車にはパワーバックドアが付いていました。これは力をほとんど入れずに自動でトランクが開閉する機能です。トランクって結構重いので、オプションで付けておくと楽ですね。

 

ここが特に気になる

雨音やワイパーの音が意外と大きいです。静粛性が高い車ですので、雨の中での運転中は結構気になりました。試乗を予定されている方は、あえて雨の日を選択されるとよろしいかと思います。

また、乗り心地は固めではあるもののおおむね良好なのですが、凹凸が大きなところでは下からの突き上げ感(音)が大きいです。衝撃自体はすぐにやわらぎますし、ハンドルが取られることもほとんどありませんが、気になる人も少なからずいると思います。ちなみにこれは運転席の私が体感したことであり、助手席の妻や後部座席に座っていた妻の母は特に気になっておらず、『乗り心地良いね』と好評でした。

そしてやはり気になるのは、お値段ではないでしょうか?レクサスNXは、2リッター(ターボ)の200tが428万円~、2.5リッター(NA)のハイブリッドが492万円~(2014年7月モデル)となっています。

最近では、国産SUVのレベルが高くなってきていますので、レクサス車が値引きなしであることを考慮すると、やや強気の価格ではないかなと思います。ただし、車両価格にはレクサスのサービス料が含まれていますので、購入後の特典があるのは嬉しいですね。

レクサス車の価格はなぜ高いのか?その理由を説明いたします。

 


総評

レクサスNX_フロント

レクサスNX 200t Fスポーツは、静粛性や乗り心地の面ではさすがにハイレベルです。このため街中・高速道路にかかわらず、長距離運転も楽にこなせます。

スポーツ走行性能も優れていますので、スポーツモード+とパドルシフトを組み合わせて、スポーティな運転感覚を楽しむこともできます。

ただ一方で、高級車タイプとしては車両価格が約300万円からのハリアーで十分広くて快適ですし、上位モデルのRXとはかなり開きがあるように感じます。

ご参考1:ハリアーの評判&試乗レビュー:ラグジュアリーSUVの魅力に迫る!

ご参考2:レクサスRXの試乗レビュー: 圧倒的な存在感を放つラグジュアリーSUV

またスポーツ走行面では欧州SUV(アウディQ3やBMW X1)のほうが足回りで洗練されているように感じます。

個人的にはあと一歩、何か特色があれば、NXがさらに魅力的になるように思います。

 
ラグジュアリーSUVや高級スポーツSUVに興味がございましたら、以下の記事も参考にしていただけるかと思います。

おすすめ人気SUV 2018 ~ 国産車&輸入車~ 『総まとめ編』


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