レクサスRXの試乗レビュー: 圧倒的な存在感を放つラグジュアリーSUV
おすすめの人気SUVの魅力をお伝えする企画の第4弾として、レクサスのプレミアム・ラグジュアリーSUVである、レクサスRXの試乗レビューをお伝えします。
レクサスRXは北米メディア『BEST CARS』の2016年度ラグジュアリーSUV部門で第1位を獲得したことがあり、世界的にも高く評価されています。
今回は「グローバルオートレンタカー」でお借りしたRX 450hで、いつもの試乗ルートを使って、街乗り、高速道路、山道などさまざまな道を走ってきました。
レクサスRXが初めての方もおられると思いますので、基本的なことからご説明したいと思います。
動画バージョンも公開いたしました。お好みの方をご覧くださいませ。
レクサスRXの評判・特徴
レクサスRXは、トヨタの高級ブランド「レクサス」のミドルクラスのラグジュアリー・クロスオーバーSUVです。2009年1月から発売され、2015年10月にフルモデルチェンジ版の現行モデルに切り替わっています。
現行モデルではスピンドルグリルがさらに強調され、とても力強い印象を与えるようになっています。また、いたるところにL字型の形状がみられるのが特徴的です。
レクサスRXの海外での評判をチェックしてみると、北米自動車メディア「BEST CARS」のラグジュアリー・ミドルサイズSUV部門の20台中、「テスラ モデルX」と「ポルシェ カイエン」の次に高い評価を得ています。
レクサスRXのベースプライスは495万円からとなっており、モデルXは1000万円を軽く超えますし、カイエンはRXよりも300~400万円以上高いので、実質1位といっても過言ではないと思います。
特に評価されているのが、質感の高いインテリア、快適な乗り心地、優れた信頼性と安全性の3点です。またハイブリッドのグレードは、2トンクラスのSUVなのに、JC08モード燃費でリッター18.2~18.8キロの優れた燃費効率を誇ります。
一方で欠点としては、インフォテイメント(カーナビ、オーディオなどの使い勝手)がいまいちであることが挙げられています。
ボディサイズは、全長4.89メートル、全幅1.895メートル、全高1.71メートルです。このサイズの車ですと、広々とした駐車スペースが必要になってきます。
写真ではわかにりくいのですが、ハリアーやレクサスNXと乗り比べても、明らかに一回り大きい感じがします。ただその分、圧倒的な存在感を放っています。
サイズが大きい割には、どの角度から見てもスポーティなのは好ポイントですね。ルーフラインがクーペ風になっていて、スタイリッシュです。
試乗車(450h)には、20インチのスポーツタイヤ(SP SPORT MAXX)が装着されていました。スポーツタイヤとはいっても、レクサスRXはパフォーマンスよりも快適性を重視したクルマですから、ステアリングの反応はおだやかであり、ワインディングでスポーティに攻めたくなる感じではありません。
ただFスポーツは別で、スポーツサスペンションが装着され、ステアリングの応答性がグッと高まるようです。頻繁にワインディングロードでドライブする方には、Fスポーツのチョイスもありかと思います。
レクサスRXを直に見て特に印象的だったのが、3眼LEDヘッドライトと堀りの深いエッジ部分です。宝石のような美しさがあります。
リアビューもアグレッシブです。現行のレクサスGSやレクサスRCなどと比べても、テールランプが太くて力強い印象があります。
競合SUVと比べると、前席だけでなく、後席も快適なのがポイントで、ファミリーでの長距離ドライブも余裕です。
RXのデザインは好みが分かれるところではありますが、写真で見たときよりもエクステリアは好印象でした。
試乗インプレッション
ここでは、レクサス RX450h で街乗り、高速道路、峠道などさまざまな道で試乗したときの感覚をお伝えします。
まずは加速性能から見ていきましょう。RX 450hには、最高262馬力を出力する3.5リッターの自然吸気エンジンとパワフルなモーターが搭載されています。
ベースモデル(前輪駆動)で2トンを超えるヘビーサイズですが、停止状態から時速96.6キロまで6.7秒(RX450h 4WD)を記録しており、SUVとしてはかなりの俊足を誇ります。
(補足:街中で走っている車の大半は、停止状態から時速100キロまで10秒以上かかります。)
モーターメインの状態からでも、スポーツプラスモードにしておけばエンジンが勢いよく吹き上がり、即座にグイグイ加速します。また街中で先行車について走る分には、エコモードでも十分です。
加速力だけでなく、ブレーキングもスムーズでいわゆるカックンブレーキになりずらく、ハイブリッドカーでありがちな2段階ブレーキにならないように工夫されています。
ハイブリッドシステム全体としては、発進&加速&減速のいずれも非常にスムーズで完成度の高さには感心するほどです。
メルセデス・ベンツ S400hやポルシェ パナメーラ ハイブリッドなどの他メーカーのラグジュアリー・ハイブリッドカーにも試乗しましたが、スムーズさや静粛性においてはレクサスが数段優れていると感じました。
また、高速道路の継ぎ目はフワっと乗り越えますし、一定速度で走行しているときにはモーターがメインになり、とにかく静かです。
スカイラインHVのようにモーターをパワーに回しておらず、エンジンパワーのかかる発進と、低速走行においてなるべくガソリンを使用しないように設定されている感じですね。
試乗車はヘッドアップディスプレイ付きでしたので、速度メータに目を移す必要もなく、前方に集中できたのも◎です。
高速道路で飛ばすことがある方であれば、ぜひともつけておきたいオプションですね。
(補足:ヘッドアップディスプレイはハイブリッドの450hに標準装備、ターボモデルの200tには「version L」と「Fスポーツ」に標準装備)
それと今回の試乗車が20インチのスポーツタイヤを装着していたこともあるのでしょうが、高速ワインディングも安定感抜群で、ミドルクラスのスポーツセダン並みの旋回限界性能があるように感じました。
ただスポーティというよりも、ストレスなく走ることができるラグジュアリーカーという感じです。
これだけ静かで快適(ノードノイズも小さい)となると、高速道路では退屈で眠くなりやすいという問題も生じるのですが、高音質なカーオーディオがありますし、V6のやや野太いサウンドのおかげもあって、たまにアクセルを強めに踏み込んで、メリハリのある運転を楽しめば問題なしです。
国道から脇道にそれて、狭い道に入っていくと、やはり約1.9メートルの全幅が気になりました。バスや大きめの車とのすれ違いでは、不慣れな試乗車ということもあり、結構気を遣うことがたびたびありました。
試乗の二日目からはサイズ感に慣れましたが、下方向の死角も大きいため、正直、あまり狭い道あるいは見通しが良くない道はとおりたくないです。
ただ先代モデルと比べて着座位置が高くなっており、Aピラーも薄くなっていることから、視界は良好で安心感はあります。
峠道では、車両の重さはやっぱりあるものの、スポーツプラスで走る限りは周りの車に後れを取ることもなく、ここでもスムーズな加速が有効でした。試乗車はラグジュアリーなバージョンLとはいっても、ハンドリングはもっと機敏でも良いと感じます。
(補足:ハイブリッドモデルには、「エコ」、「ノーマル」、「スポーツ」、「スポーツプラス」のモードがあります。スポーツ寄りにするほど、エンジンレスポンスやハンドリングが俊敏になります。)
Rの大きなカーブについては、さすがに頑張って曲がる感じですが、フロントノーズはスムーズに入っていきます。
目的地に到着して、試しに後部座席でほっと一息つきました。後部座席の頭上スペースはBMW X5よりも低いのですが、リクライニングにでき、左右前後が広く、シートにも厚みがあってかなり心地良いです。
新型になって足元スペースが広くなったそうですが、たしかに広すぎるぐらい広かったです。
ついでにラッゲージルームも確認しておきました。ハイブリッドカーとして容量はそこそこありますが、スロープしたルーフライン(つまりデザイン重視)のため入り口が狭く、背の高いアイテムが若干入りにくくなっています。
試乗車はパノラミックビューモニター付きでしたので、駐車スペースにきっちりと止めるのは簡単でした。12.4インチのワイドモニターで見やすく、かといって前方の視界の妨げにもならずちょうど良い感じです。
ちなみに最高238馬力を出力する2リッターのターボエンジンを搭載した「RX 200t」の加速性能はどうかというと、以下の動画では、スポーツモデルの「Fスポーツ」で時速100キロまで8.6秒を記録しています。トランスミッションは6速ATです。
同じエンジンを搭載したレクサスNXと比べて、車両重量が200キロ近く重くなる割には、まずまずの加速力です。やはり最大トルクの35.7kg・mが1650~4000rpmで発生するのが大きいですね。
ただ4気筒エンジンであるがゆえに、ハイブリッドモデルと比べて、エンジンの振動とノイズが若干あります。
その分、重量はハイブリッドモデルよりも約200キロ近く軽いこともあって、走りのほうはかなり軽快になります。
総評
レクサスRXはミドルクラスのラグジュアリーSUVとして、走行性能を含めて、ほぼ申し分ない車に仕上がっていると思います。
街乗りメインの車としてはオーバーサイズですが、エクステリアは迫力満点で存在感がありますので、ステータス感がかなりあるといえます。
3眼LEDヘッドライトの有無で印象がずいぶん変わってきますので、オプションでぜひつけておきたいところです。
またインテリアが快適で広く、装備も豊富にありますので、女性受けも良さそうです。高速道路を利用した遠出も相当楽ですね。
ということで、今回の試乗車は個人的にはかなりアタリでした!
レクサスRXには、内装がより豪華仕様となる「バージョンL」と、スポーツ仕様の「Fスポーツ」があります。
個人的には、200tであればハイブリッドよりも軽いので、「Fスポーツ」と相性がよさそうですし、ハイブリッドの450hであれば、エコカーらしく、ラグジュアリーでゆったり目的地に向かうという意味で「バージョンL」を選択しても良いかなと思います。
車両価格は、200tが495万円から、450hが602万円からとなっています。ここからオプションを追加していくと、結構なお値段にはなります。
ただレクサス車がトヨタの中での特別モデルであり、品質管理がさらに徹底されていたり、豊富な機能や、レクサス独自のサービスを利用できることを考慮すると、妥当なところではないでしょうか。
ご参考:レクサス車の価格はなぜ高いのか?その理由を説明いたします。
また、レクサス RXと同程度のサイズの海外のラグジュアリー・SUVと比較すると、ポルシェ カイエンは859万円から、BMW X5は865万円から、メルセデス・ベンツ GLEは868万円、レンジローバー スポーツで846万円からとなっていますので、オプションを含めると1000万円を超えるお値段になってきます(※2016年6月9日時点)。
ハイブリッドモデルの450hは、495万円からのガソリンモデルと比べて約100万円高いとはいえ、ハイブリッドシステムの完成度がとても高く、ラグジュアリーSUVとしては結構おすすめです。
ちなみにレクサス車ゆえに最高峰の信頼性がありますので、高級車であっても長く乗りやすいのは◎ですね。
レクサスRXはハリアー(279万円~399万円)の系譜であり、ハリアーの時点でラグジュアリーカーとしての完成度はかなり高いと感じていますので、街乗りでゆったり運転される方であれば、ハリアーも良い選択肢かなと思います。
ご参考:ハリアーの評判&試乗レビュー:ラグジュアリーSUVの魅力に迫る!
ちなみにカーセンサーでレクサスRXの中古車一覧をチェックすると、一つ前のハリアー系譜のモデルが200万円前半から購入でき、結構お買い得になっているようです。
なお、今回の試乗車は、大阪府のグローバルオートレンタカーさんでお借りしました。
以上となります。本記事が皆さまの参考になりましたら幸いです。
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