ハリアーの評判&試乗レビュー:ラグジュアリーSUVの魅力に迫る!
おすすめの人気SUVの魅力をお伝えする企画の第3弾として、ラグジュアリーSUVとして好評を得ている、ハリアーの評判&試乗レビューをお伝えします。
ラグジュアリーSUV部門の車は、全車種の中でも特に高価格帯寄りなのが特徴的ですが、ハリアーは約300万円から購入でき、しかも完成度は相当なレベルに達しています。
今回もいつもの試乗ルートを使って、街乗り、高速道路、峠道(山道)などさまざまな道を走ってきました。
試乗車につきましては、大阪市の人気高級車レンタカー店「グローバルオートレンタカー」を利用させていただきました。
ハリアーが初めての方もおられると思いますので、基本的なことからご説明したいと思います。
PS. 試乗体験の動画バージョンを追加いたしましたので、お好みの方をご覧ください。
ハリアーの特徴
ハリアーは、トヨタのラグジュアリーSUVです。ハリアーシリーズは現行で3代目となり、トヨタの特別なモデルとしてチョウヒ(タカの一種)のオリジナルエンブレムを付けています。
フロントビューからだと「どこかの外車かな?」と思われる方も少なくないと思います。
トヨタは質感が高くて、静粛性や乗り心地の良い車を作るのが上手ですが、その中でもハリアーは完成度がかなり高いモデルです。
現行ハリアーを手短かに表現すると、「エレガントで高級感があり、目的地に向かって優雅に運転しなくなる車」です。
エクステリアは大人の存在感がありますし、室内空間が広くてとても快適ですので、運転しているのにくつろげてしまう不思議な車です。
車幅が1835mmでやや車幅があるものの、視界が広くてSUVの中では小回りが効きますので、結構運転しやすいです。
またトランク容量がかなり大きいため、遠出やアウトドア用途で荷物をたくさん積むこともできます。
実用性の優れたラグジュアリーSUVとしてはかなり優秀な車ですが、車両価格は279万円~399万円ですので、ラグジュアリーカーの中ではかなり庶民的な価格なのもうれしいポイントですね。
ここまでの時点でハリアーの特徴を簡単にまとめておきましたので、試乗インプレッションをまじえて、ここからより詳しい説明に入っていきます。
エクステリア
ハリアーのフロントビューは、スッキリとまとまっていて、LEDヘッドライトが標準装備となっています。ふつうにカッコ良かったです。
やっぱり鷹のエンブレムも目立ちます。
リアのコンビネーションランプもエレガントで特徴的です。遠目からでも一目でハリアーであると認識できます。やっぱり鷹の羽を意識した形状なのでしょうか?
個人的に、最近のトヨタ車のデザインは好みの分かれる奇抜なものが多いと感じていますが、ハリアーは全体的に嫌みのない高級感があり、多くの人に受け入れられやすいと思います。
わずか1日の試乗期間でしたが、内外装ともに愛着がわく車でした。
内装
続いて内装です。やはりインテリアの快適性こそが、ハリアーの神髄ではないでしょうか。ハリアーの室内空間は、乗り心地の良さや静粛性も相まって、上質なくつろぎ空間となっています。
ディープボルドーの表皮やウッドパネルなどが「大人の渋み」や「手作り感」を演出していて、質感もかなり高いです。
かといって古風すぎず、若い人でもすんなり受け入れられる良デザインだと感じました。
ハリアーのステッチがさりげなく目に映ります。全体的にやわらかい部分が視界に映るため、ここでも落ち着いた印象を受けます。
ナビのタッチパネルは日光が当たると指紋がけっこう目立つので、改善の余地ありですね。
前席から後部座席へのビューです。見晴らし良好です。景色の良いところでのドライブが最高です。
後部座席から乗り込むときのビューです。乗り込むときの足元のスペースはやや狭いです。
そして最大のポイントは、ワイドなムーンルーフです。SUVならではの視界の広さも加わって、オープン状態ではかなりの開放感があります。
スライドパターンがたしか3~4通りあり、上の写真の状態は一番大きく開いたときです(うろ覚えです)。
ムーンルーフは車両が少し重くなるのと、閉じているときに頭上スペースが数センチ下がるというデメリットもありますが、元々ハリアーの頭上スペースには余裕がありますので、個人的には特に気になりませんでした。
全体的にみると、ハリアーの内装は、279万円の価格帯でコストダウンを考慮しつつ、エレガントさを上手く表現できていると感じます。
普段快適性の優れたセダンに乗られている方も、このクオリティの快適空間となれば、気に入る方も多そうです。
走行インプレッション
ここでは、街乗り、高速道路、峠道で走行したときの感覚をお伝えします。
ハリアーのドライブ感覚は、かなりラグジュアリー寄りとなっています。車の流れが少ない道路では快適そのものですが、きびきびと運転したい方には物足りないと感じるかと思います。
スポーティなSUVであれば、輸入車であればBMW X1(385万円~)やアウディQ3(379万円~)、国産車であればレガシィアウトバック(313万円~)やスカイライン クロスオーバー(447万円~)を選択するのが良いでしょう。
一方、ゆったりと運転する車としては、コストパフォーマンスを含めて、ハリアーは相当に良い車です。
<追記>
2017年6月より、クラウンアスリートやレクサスIS・NX・RXなどに採用されている2リッター・ターボに相当するグレードが追加されています。実際に同等のエンジンを積んだNXとIS・RXに乗ったことがありますが、感覚的には3リッター相当のパワー感があります。スポーティさを高めるパフォーマンスダンパーが標準でボディ前後に装着されますので、SUVといえどもたまにはグイっと加速したい方にも満足できるのではと思います。ちなみにネットでは3.5リッター相当と書かれていることもありますが、実際には0-100km/h加速などの数値的にも3.5リッターNAほどのパワーはありません。
街乗りでは車内の快適空間に加えて、広くて見晴らしが良い分、高級セダンタイプよりも良いぐらいです。
今回は妻が助手席に同乗していましたが、かなり気に入った様子でした。
ドライバーとしては(G’sモデルを除いて)スポーツ走行を楽しむことはほぼできませんが、助手席や後部座席の同乗者からの評価は高そうです。
ハリアーは全幅1.835メートルですのでやや車幅があるものの、最小回転半径は5.3メートルにとどまっていますので、SUVの中では小回りは割と効きます。
2車線分の幅があれば、おおむねUターンすることができましたし、視界が良いのでかなり運転しやすい部類に入ります。
試乗中にルートを間違えて狭い道に入り込んでいきましたが、Aピラー付近の下方向の死角が気になったものの、慣れれば不通に運転できるレベルでした。
一方、街中で車線変更してきびきび走りたいときや、発進時の加速において、ややパワー不足を感じました。
現行ハリアーは最高出力151馬力、最大トルク19.7kg・mを出力する2リッターの自然吸気タイプのエンジンが搭載されていて、車両重量が1560キロ(FFのエントリーモデル)ですので低速域では機敏さに欠けると感じることがあります。
ある程度速度が付いた時点での加速力には特に不満はなく、むしろスムーズに加速して好印象でした。
燃費効率の良いCVTを搭載していますので、後々の税金とガソリン代を考慮すると、2リッターのNAエンジンなのは財布にやさしくてちょうど良いかもしれません。
エンジン音やロードノイズが静かなので、街中では思いのほか速度が出てしまうかもしれないため、意外と注意が必要です。
ハリアーにはフロアMTモードが搭載されています。渋滞などで先行車に続いて走行しているようなシチュエーションでは、トランスミッションがCVTでエンジンブレーキが効きにくいので、シフトノブのマニュアルモードを使ってギアを1段階下げて、エンジンブレーキをかけるのが便利でした。
ご参考:フロアMT(マニュアル)モードの使い方とギアチェンジの仕組み
急角度のカーブが多い峠道では、SUVとしては旋回性が良いためなのか、意外と運転しやすかった覚えがあります。
同じ道をアウディA5 カブリオレやボルボS60(AWD)で運転したときには、ハンドルを大きく回す動作を繰り返すのがきつい感じでした。
ハリアーのブレーキフィールは強すぎず弱すぎず、自然な感じでした。あまり飛ばす車ではありませんので、ちょうど良いセッティングかと思います。
高速道路では、高級セダンタイプと比べると風切り音やロードノイズが少し多めに入ってくるものの、エンジン音は4気筒NAとしては静かであり、よほど飛ばさない限り静かで快適なドライブを楽しむことができます。
高速道路の継ぎ目では、スポーツタイプの車によくあるゴツン・ゴツン音はなく、上級クラスの高級車のようにしとやかに乗り越えます。
装備類&おすすめオプション
ハリアーのトランクルームは開口が広くて平面的で、奥行きもあります。
パワーバックドア(アドバンストパッケージに標準装備)を使って、スマートキーのリモート操作やワンプッシュで開閉することもできます。
サイドミラーは大きくて、広範囲を見渡せます。
中央の小物入れはカバーで隠れていて、すっきりとまとまっています。
ハリアー自体は見晴らしが良いのですが、やはりSUVなので周辺の下方向には死角があります。
そこで頼りになるのが、メーカーオプションのパノラミックビューモニターです。
カメラにより死角をカバーすることができ、モニター表示で車の挙動(傾き)が手に取るようにつかめますので、白線ラインに沿って1回で綺麗に駐車しやすいです。
また障害物との距離をセンサー音とモニターで知らせてくれます。駐車が苦手な方から安全性を重視される方まで、おすすめのオプションです。
もう一つオプションでおすすめなのが、上の画像にもあったムーンルーフです。
ムーンルーフは閉じた状態では天井までの高さが数センチ低くなりますが、開いた状態ではオープンカーのような開放感があります。後部座席に人を乗せるときにも好まれそうです。
パワーシートは、エレガンス(288万円~)以上のグレードに標準装備されています。
ハリアーのグレード
ハリアーはエントリーグレードの「グランド」で279万円~ですが、内装の質感や快適性は、同価格帯のSUVの中では群を抜いて優れています。
エントリーグレードに社外製のナビをつけるのもありですし、合成皮シートが標準装備の「エレガンス」や、エルボニーストライプや18インチアルミホイール、ハリアーのロゴ入りイルミネーションなどが付いた豪華仕様の「プレミアム(333万円~)」も良いですね。
またエレガンスG’sは、スポーツカーのようなルックスに仕上げたハリアーです。ハリアー自体がスポーツ走行向きではないものの、スポーティなハリアーとしてのかっこよさ、存在感に惹かれる方におすすめです。
ちょうどG’sのモデルの動画がありましたので、下に張り付けておきます。
グレードごとの詳しい違いにつきましては、トヨタ ハリアーの公式ページで確認することができます。
ちなみにハイブリッドモデルもありますが、ベースグレードの「グランド」で車両価格371万円からとなり、ガソリンモデルよりも100万円近く値段があがります。
ガソリンモデルでもグランドのJC08モードでリッター16キロとそこそこ良く、ハイブリッドモデルは燃費運転を楽しめたり、リセールバリューが高めになるなどのメリットがありますので、こればかりはお好みで良いかなと思います。
総評
総じて、ラグジュアリーSUVとしては高く評価できる車です。エンジンパワーや機敏さはやや物足りなさがありますが、あまり飛ばしたくなると感じない不思議な車ですので、ゆったりドライブに慣れれば全く気にならないと思います。
同じクラスの国産SUVには、CX-5、CR-V、フォレスター、アウトランダー、エクストレイルなどがありますが、ラグジュアリーSUVとしては唯一無二の存在です。
インテリアの質感は言うまでもなく、開放的で気持ちが安らげる室内空間、快適な乗り心地、そして広大なラッゲージルームが特に優れていました。
またハリアーは国内専用で販売されており、SUVとしては運転しやすい車ですので、街乗りから高速道路、峠道まで快適に運転できるのも良ポイントです。
当方、レクサスNX(428万円~)やレクサスRX(495万円~)、アウディQ3、レンジローバーイヴォーク コンバーチブル、BMW X1でも同じ道を走ってみましたが、コストパフォーマンスなら圧倒的にハリアーが優位であり、ラグジュアリーならRX(ただ大きすぎなのが難点)、スポーツ走行ならBMW X1、個性的なSUVとしてはイヴォーク コンバーチブル、であると感じました。
また総合的にみると、高級セダンの立場が危うくなってしまうほど完成度の高い車であると感じました。もうひと押し、エンジンのトルクと、ハンドリングの機敏さがあればいうことなしです。
ちなみにコーティングをかけてピカピカにしておけば、さらに存在感が増すこと間違いなしです。
ちょっと贅沢なファミリーSUVとして、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
現行ハリアーのカタログデータ(カーセンサー.net)
中古車市場では、ハリアーの2代目モデル(2003年~2012年)も結構オススメです。エアーサスペンションで乗り心地が良く、3.5リッターのパワフルなモデルもあります。
現段階では平均価格が120万円まで値下がりしていますが、信頼性の高いトヨタ車ゆえに、まだまだ長く乗れるクルマが多数あります。
以上となります。本記事が皆さまの参考になりましたら幸いです。
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