アルトターボRSの魅力: 気軽にMT感覚を楽しめるAT車

アルトターボRS正面(縮小版2)

軽自動車の魅力をお伝えする企画の第2弾として、スズキのアルトターボRSを取り上げます。この車の魅力は何と言っても、気軽にMT感覚の運転を楽しめることだと思います。

当方、さまざまなスポーツセダン・クーペを運転してきましたが、この車の運転の楽しさはその中でもトップクラスです。しかもお値段が約130万円(FFモデル)であり、維持費のことも考慮すると、バーゲンセールであることは間違いないと思います。

走行性能も軽自動車トップクラスであり、高速道路での運転も楽々こなせる点も大きな強みですね。車両重量が670kgと軽く、40km/hまでの加速は2.5リッタークラスの速さがあります。

この車のトランスミッション自体はMTなのですが、クラッチペダルがないATと同じ2ペダル式になっています。そしてクラッチ操作は、アクチュエーターと呼ばれる装置によりコンピュータ制御されます。クラッチ操作を除くと、車の動作はMTそのものであり、独特のダイレクト感があります。AT限定免許の方でも運転できます。

本記事では、この車のAGS(オートギアシフト)と呼ばれるATに焦点を当てつつ、この車の魅力について触れていきたいと思います。

車内空間はシンプルにまとまっていて、運転に集中できるように工夫されています。赤のアクセントが一層気分を盛り上げてくれます。大人4人が乗れるファミリーカーでもあり、走る歓びを体感できる車って素敵ですよね。

アルトターボRS【インテリア)

 

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AT(オートマ)との違い

MTにあまり馴染みのない方向けに『AGS(オートギアシフト)って何なの?』という疑問を解消いたします。AGSを理解するためには、まずMT(マニュアルトランスミッション)とAT(オートマチックトランスミッション)の違いについて理解しておく必要があります。やや難しい内容となりますので、お時間があるときにご確認いただけるとよろしいかと思います。

MT車とAT車はいずれもクラッチと呼ばれる装置のオン・オフにより、ギアを切り替えていきます(ギアとは?)。AT車の場合、クラッチはコンピュータ内部で制御され、誰でも滑らかなシフトチェンジができるようになっているため、ドライバーはクラッチの存在を意識せずに運転することができます。

一方、MT車にはクラッチペダルが付いていて、左足とシフトノブを用いて手動でギアチェンジを行うため、シフトチェンジが上手いかどうかはドライバーの腕次第となります。

それではAGSはどうかというと、MT車の機構を維持しつつ、クラッチペダルをなくして、クラッチを自動制御しています。このためATではあるのですが、MTと同じような特性をもっており、シフトチェンジが上手いかどうかはドライバーの腕に依存します。

AT車はMT車と比べてトランスミッションの機構が複雑になるため、製造コストが高くなり、車両重量も数十キロ重くなります。一方、MT車ではギアチェンジのたびに、左足でクラッチペダルを操作して、ハンドルから手をはなしてシフトノブのギアを切り替える必要があります。

MT車では自分の操作が車の動きに直に反映されるため、車を操る楽しさがある半面、慣れないとクラッチ操作が難しく、操作が煩わしい(非効率)という欠点があります。また個人的には、MT車の最大欠点はクラッチ操作のたびにハンドルから手を離す必要があることだと考えています。

AGSはATとMTの長所を上手く引き継いでいます。つまり、トランスミッションはMTと同様であるため製造コストが安く、車両重量も軽くなります。また、クラッチ操作が不要であり、ハンドルから手を離さずに、MTのように自分で車を操作しているようなダイレクト感のある走りが楽しめます。

 

AGSの注意点

前節でご説明したとおり、AGSではクラッチ操作は不要ですが、他のAT(CVTやDCTなど)とは運転感覚が異なります。

AGSでは、MTと同様にギアが切り替わる際にクラッチがつながるまでのタイムラグがあり、その間は動力がカットされます。したがって、アクセルペダルを踏んでいるときにギアが切り替わると、急に減速したようなショックを感じます。これは、AT車で加速中にアクセルペダルから素早く足を離したときと同じ感覚ですね。

AGSのドライブモードではギアが自動で切り替わるのですが、たとえアクセルを踏み込んでいても、エンジン回転数に合わせて変速が行われますので、上記のようなことが起こるわけです。

ドライブモードではある程度エンジン回転数が高くなったときギアチェンジのタイミングとなりますので、タイミング良くアクセルペダルを緩めることにより、違和感のないシフトチェンジができるようになります。

 

MTモードで運転しているだけで楽しい

アルトターボRSパドルシフト

この車の楽しい部分と言えば、やはりパドルシフトを使ってMTモードで遊べることだと思います。アルトターボRSには上の写真のようにパドルシフトと呼ばれる変速装置が付いています。

左側のパドルを引くとシフトダウン、右側のパドルを引くとシフトアップとなり、ドライブモードの最中に任意のタイミングでシフトチェンジをすることができます。

D(ドライブ)モードからM(マニュアル)モードに切り替えると、シフトチェンジを常に手動で行うことができるようになります。

アルトターボRS(フロアMT)

Dモードでコンピュータと対話しながら運転するのも楽しいのですが、やはりMモードにしてスポーツカーを運転している感覚を楽しむ瞬間がたまらないですね。

個人的には、MT車とは異なり、ハンドリング操作に集中できるところが一番気に入っています。また、シフトダウン時にエンジン回転数を合わせる機能(ブリッピング)も付いていますので、MT車の複雑なブリッピング操作が簡単にできるのは嬉しいですね。

変速のタイムラグはそこそこありますが、加速力自体は軽自動車屈指の速さです。かなり流れの速い市内(朝の飛ばしている時間帯)を走行しましたが、ふつうに流れに合わせて走行できる余裕がありました。車高の高い車やミドルクラスなどの大き目のセダンと比べてロールが小さく、小回りがきくところも気に入りました。

 

快適性もしっかり確保されている

アルトターボRS(スペース)

アルトターボRSは、運転を楽しめることに加えて、実用性もしっかり考慮されています。大人四人が乗れるスペースがしっかり確保されていて、足元にはかなり余裕があります。

高さにつきましては、日本人の標準体型である私が後部座席に座ったところ、こぶし一個分くらいのスペースがありました。

アルトターボRS(高さ)

走りが楽しい軽スポーツカーとしては、ホンダS660やコペンが挙げられますが、実用性の面ではアルトターボRSがかなり優位ですね。

また、上記2車と比べて乗り心地が柔らかめになっているため、やはり快適性を重視していることがうかがえます。

アルトターボRS(トランク)

燃費の面ではリッター25.6キロ(FF)とまずまずですし、アイドリングストップも付いています。停車時のアイドング時の振動も気にならない程度です。

個人的に気に入ったのは、静粛性の高さです。発進時は他の軽自動車と同様にエンジン音が大きいものの、それ以外での静粛性や乗り心地は良かったです。

自動ブレーキシステムの付いていて、安全面でも優れていますので、車の運転が不慣れな方や、初めての方にもおすすめです。

なお、この車は機構自体がMTなので、クラッチを付けたモデルを用意して、MTとAGSを切り替えることができれば面白そうだと思いました。

 

ここが少し気になる

AGS自体の技術が新しく、まだコンピュータ制御が成熟されていない印象を受けました。特に気になったのが、3速から2速などにシフトダウンして減速するときに、ブレーキの効きが不安定になることです。微調整をすれば良いので運転に大きな支障はありませんが、気になる人もいると思います。ブレーキ自体の効きは良好です。

また、これはシングルクラッチの宿命でもありますが、1速から2速へのクラッチのつながり方がシビアであり、慣れないうちはギクシャクしてしまいます。Dモードで1速から2速までは(エンジン回転数が高くなる前に)早めにアクセルオフをしてシフトチェンジを促すか、Mモードにして、1速から2速までは早めにシフトアップすればシフトショックが少なく、スムーズに運転できます。

また、アイドリングからの発進では、MT車と同様にAT車よりも若干早めに発進準備をしたほうが良さそうです。アイドリング中に信号が切り替わってから発進しようとすると、そこそこタイムラグがあります。

それとあまり大したことではありませんが、ドアが軽く、閉めたときに半ドアになりやすかったです。ドアの開けっぱなしにはくれぐれもご注意を。

もう一点、これは主観ですが、エクステリアについてはメッキを多用していたりして全体的にごちゃごちゃしているような印象があります。一方で個性的な外観である点については良いと思います。

 

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総評

アルトターボRSは、走りの楽しさと実用性を兼ね備えた車であると思います。MTモードでふつうに走っているだけで楽しく、快適です。

多くの人が手に届く約130万円という価格帯で、実用性や安全性にも優れていることを考慮すると、バーゲンプライスであると言えるかと思います。高速道路での運転もふつうこなせるというのも強みですね。

スポーツカーの入門としても、車の運転が初めての人やMTに興味のある方などに特におすすめです。

追記:

2015年12月末頃から、アルトターボRSの走りに更に磨きを加えたアルトワークスが発売されています。

新型アルトのカタログデータ

アルトターボRSの在庫車

アルトワークスの在庫車

 

本記事が参考になりましたら幸いです。

 


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2016.11.1 by Dr. Poni


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