アウディS3の魅力:ミドルクラス最速レベルのセダン

アウディS3(縮小版)

人気セダン・クーペの魅力をお伝えする企画の第2弾として、アウディS3 (2015年式)の試乗レビューをお伝えします。アウディS3は、2014年にワールドカーオブザイヤーを受賞したアウディA3の上級スポーツモデルです。

北米誌のMotor Trendによると、アウディS3はラグジュアリーセダンとしてカテゴリー分けされています。一方で4本出しのマフラーがいかにもスポーティな感じを醸し出していますが、実は見かけだけではなく、かなりすごいんです。

全幅が1.8メートル以下、全長4.5メートル以下のコンパクトで軽量ボディのこの車は、『クワトロ』と呼ばれるフルタイム4WDシステムに支えられ、アクセルを踏み込んだ途端に猛獣のごとく加速します。それでいて、街乗りでは先行車に自然に追従できるという絶妙なバランス感覚があります。

夜にはLEDライトがかなり目立ちます。

audi_s3_front_light



クラストップレベルの走行パフォーマンス

アウディS3には2リッターの4気筒エンジン(ターボ付き)が搭載され、0-60mph(≒0-100km/h)は何と4.7秒に達します。1.8リッターの4気筒エンジン(ターボ)を搭載したアウディA3は7秒台ですから、別次元の加速力です。

7秒台でも十分に速いのですが、4秒台ではシートにグッと押し付けられるような感覚になり、あっというまに100km/hに達します。時速20キロ~80キロまでの加速力が特に優れていますので、街乗りで加速するのに向いています。

(※日本仕様は最高出力285psであり、大人の事情により本来の296psよりも少し抑えられています。)

ブログ読者の方用に、特別に加速シーンを公開いたします。音量にご注意ください。徐行からアクセルを目いっぱい踏み込みました。(※本来はSAからローンチコントロールをかけて加速するのがベストですが、今回は時間が取れませんでした。)

https://www.youtube.com/watch?t=1&v=iervg80K9_w

もう一つ、海外仕様のS3の動画リンクも貼っておきます。

https://www.youtube.com/watch?t=1&v=h8qgSjspIJ0

これだけの加速力があるにもかかわらず、アウディS3の燃費はリッター14.4キロであり、アウディA3のリッター14.8キロとほとんど同じです。この理由は、加速時以外は不要な燃料がカットされているためです。

実際に約500キロメートル(高速道路450キロ)走りましたが、高速道路ではカタログ燃費近く出ていましたし、市内走行ではリッター9キロ近く出ていました。

走行モードは主に3種類ありますが、エコモードやコンフォートモードで先行車に続いて走行していると、とてもパワフルな車という感じはしません。意外にもスポーツモードで走行していても同様です。それだけ普通に運転できるということですね。

一方で先行車がいない状況でアクセルを踏み込むと、コンパクトな猛獣が地面を思いっきり蹴るように走り出します。ハンドリングはやや人工的ではありますが、思うように曲がります。

コーナリング性能はどうでしょうか?Motor Trendのテストデータによると、コーナリング性能は約1000万円のレクサスRC Fとほぼ同等です。具体的には、アウディS3のFigure 8が25.2秒、レクサスRC Fが24.9秒です。

タイムだけを見ると、価格が1000万円以上の車(たとえば、BMW M4の24.2秒)など、アウディS3よりも速い車はけっこうたくさんあります。ですが、フルタイム4WDのクワトロシステムによる抜群の安定感は、タイムでは表せないものがあると思います。

クワトロシステムでは4輪のグリップが最適になるように調整されるため、雨や雪などの悪天候のときこそその真価を発揮します。※大排気量のFRでは、悪天候時にはアクセルワークにかなり気を遣います。

 

マニュアル走行モードが楽しい

audi_s3_paddle_shift

アウディS3には6速ATにパドルシフトが付いていて、マニュアル操作を楽しむことができます。またDSG(デュアルクラッチトランスミッション)で変速スピードが優れており、ブリッピング機能(エンジン回転数を自動調整する機能)も付いています。

(パドルシフトについて詳しく知りたい方は、パドルシフトの上手な使い方(操作方法)ー使用車:レクサスIS350ーをご覧ください。)

パドルシフトの操作では、各ギアごとに許容される速度域(エンジン回転数)が設定されているのですが、アウディS3は各ギアにおいて許容範囲が広いです。

シフトノブをドライブモードやスポーツモードに入れていても、パドルシフトを操作するとマニュアルモードに切り替わります。そしてマニュアル操作をしばらくの間しないと、オートに切り替わります。

パドルシフト付きの車は、たいていマニュアルモードでもキックダウン(自動でシフトダウン)しますが、たしかこの車はキックダウンしなかった覚えがあります(うろ覚えですが)。

いずれにしても、コンピュータ制御があまり介入せずMT車に近い感覚で操作できるため、個人的にかなり気に入りました。MT車でブリッピングをするには慣れが必要ですので、パドルシフトで簡単にブリッピングができるのは嬉しいですね。

ジャガーFタイプやランボルギーニ・ウラカンのようにブリッピング+バブリング(バリバリッという音の演出)があれば最高ですが、これは欲張りすぎだと思います。

 

街乗りでの使い勝手も良好

audi_s3_interior

アウディS3の車幅は1.79メートルであり、ラグジュアリー・スポーツセダンとしてはかなりコンパクトな方です。また旋回性能も5.1メートルと小回りがききます。

ブレーキも良く効きますが、高性能ブレーキを備えた車によくありがちなカックンブレーキにもなり難いです。ハイパワーな割にはかなり運転しやすい車であり、好印象でした。

この車には3つの走行モード+自動モード+マニュアル設定モードが用意されています。エコモードやコンフォートモードは、先行車にゆっくり付いていくようなシーンに適していて、乗り心地やハンドリングがマイルドになっています。

ダイナミックモードでは、ATモードにしていると前述した2つのモードがガンガンシフトアップしていくのに対して、ギアが常に2段階ぐらい下に調整されます。また、ハンドルが重めになり、ハンドル操作に対してよりクイックに反応します。

トランクルームの容量は約400リットルであり、トランクスルーにして後部座席を倒すと、約800リットルまで収納できます。ハイパフォーマンスのスポーツセダンはトランク容量が小さくなりがちですので、この容量は優秀な方ですね。

audi_s3_trunk1

運転席や助手席の足元は余裕があります。スポーツシートの包まれ具合も程よい感じです。後部座席については、足元には比較的余裕がありますが、車高の低い車だけあって上方向の余裕はほとんどありません。

ちなみに高速道路ではオプションのアクティブクルーズコントロール(レーダー式)を使ってみました。いったん設定をするだけで、車間を上手く自動調整しながら、自然な感じで追尾ししてくれます。長距離の旅のお供にしたい機能ですね。

 

ここが特に気になる!

audi_s3_corner

Sトロニックはもともとミッション機構がベースとなっていますので、ふだんの運転では、MT車と同様にクラッチをいたわること(加減速を滑らかにするとか、発進時に急加速せず、少し走り出してクラッチがつながってから加速する等)が大事になってきます。

もう一点、アウディS3は街乗りでは快適な車なのですが、高速道路ではノイズが大きく、とても快適とは言い難いです。これは車の構造や18インチのコンチネンタルのタイヤが原因であると思いますが、いずれにしても車内で音楽を楽しみたくてもノイズが大きて微妙でした。

ノイズもドライバーにとって重要な情報とはいっても、最近の200~300万円の国産セダン(たとえばホンダグレイス)よりもノイズがかなり大きいです。途中からある程度なれてきたとはいえ、高速道路においてもう少し落ち着きが欲しいところです。

妻が助手席に座っていたのですが、時速100メートルくらいになると、隣にいるのに大きな声で会話する必要がありました。

もっとも、ドイツのアウトバーンにおいて時速150キロオーバーでも安定して高速巡行するためには、これぐらいのハードなタイヤが必要になってくるのでしょうね~。

高速道路での静粛性を求める場合には、ワンサイズ上のアウディA4・S4が良いですね。

あとは細かいところですが、タッチパッドの周りの操作が直感的ではないことが気になりました。これについては、慣れれば問題なさそうです。

 

オプションなど

S3にはA3のオプションのほとんどが盛り込まれていますので、選択肢で悩むことは殆どないと思います。

付けるとすれば、マトリクスLEDヘッドライト、ファインナッパレザー(標準は確かハーフレザー)、ボディ&インテリアのオプションカラー、セーフティパッケージ、マグネティックライド、Bang & Olufsen サウンドシステム、プライバシーガラス、ブレーキキャリパー(レッド)ぐらいです。

ディーラーで見積もりを取ったことがありますが、(値引き込みの)乗り出し価格で700万円前後に落ち着きます。

ちなみにボディカラーは一般的な人気色の白・黒以外に、赤が人気とのことです。
 



総評

この車は、コンパクトで普段乗りで使い勝手がよく、マニュアル操作がとにかく楽しい車です。街中メインで運転される方であれば、かなりオススメの一台です。ちなみにお値段の方は、新車で約600万円です。

あと50万円~100万円安ければ、購入できる層もぐっと広がると思います。とはいえ、プレミアムブランドのスペシャルモデルとしての魅力は十分に備えていると感じます。

中古車であれば、カーセンサーNETのこちらのページを確認すると、新車よりも大分お買い得になっている車もあります。

中古車であれば、オプション付きのクルマが、安くて早く手に入るところが嬉しいですね。今なら新車並みに程度の良い個体もあり、購入する価値は十分にあると思います。

プレミアムセダンに興味がございましたら、以下の記事も参考にしていただけるかと思います。

おすすめ人気セダン 2016 ~ 国産車&輸入車~ 『総まとめ編』

以下のアウディ S3のドライブ動画も要チェックです!

https://www.youtube.com/watch?t=1&v=6IqC282pXJE

 
夜間走行:

https://www.youtube.com/watch?t=1&v=naEVJ7lmW4c



第3弾は、2015年式のレガシィB4です。この車は、北米誌『Motor Trend』のカーオブザイヤーの候補としてトップ10入りしているだけあって、完成度の高さに期待しています。

レガシーB4

新型レガシィB4の魅力:週末が待ち遠しくなるファミリーセダン

以上となります。本記事が皆さまの参考になりましたら幸いです。1


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2016.7.27 by Dr. Poni


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